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82 胡散臭い組織です


「さて……では本題に入る前に、そろそろ街の教会に行ってみましょうか」


 帰っていった秘書さんを満足そうに眺めたアユミさんがそんなことを言い出した。ミーティの拉致騒ぎからは3日経っている上に、レベルも揃って32になっているのでそろそろとは思っていたが本題とは……?


「本題ってなんっすか?」


 ノアさんも聞いていた話ではないようだ。アイリさんはクールに頷いているので知っている風だが。マイさんはいつも通り微笑んでいる。

 向かいながら話をしましょうとのことだったので皆で完全武装してトイレのドアを潜る。


「多分なんですけど、あちらの勢力はバンバン人を送ってくると思います。なにせ血縁の人数が桁違いにいますから。人選をどうするとか優先度どうするなどの揉め事は向こうに押し付けれそうなのはいいのですが、今度は案内人(ガイド)の人数がボトルネックになります」

 

 な、なるほど? 確かにこのメンバーだと一日に対応できる組数は入門コースでも3時間はかかるので数組がいいところだ。おっと、蜘蛛だ。魔法矢(ボルト)


「ですので、初級コースのガイドくらいまでは向こうの人員にアウトソースできるようにしちゃいましょう。こちらがガイド依頼を受けてそこそこ戦闘力のある人に発注する形で。もちろんある程度の教育も必要ですけど」


「そこもピンハネしちゃうと」


「必要経費がありますので。それとスキルの取得条件についても教えるのは別料金でいいと思います。特に回復魔法は少し捻ったほうがいいかなと」


「……少し捻る?」


「新興宗教のシステムをオマージュしてですね。組織化して寄付とか貢献具合で取得条件を教えたりする形がいいんじゃないかと思っています。取得条件をうまく入れ込んだ特別な祝詞を唱える様にするとか。情報漏洩も信徒同士で監視しあうようなのがいいですね」


「新興宗教!?」


 うさん臭さが爆発していた。うーん。これはきな臭い。


「もう魔法なんですし、諦めてください。こちらには実際に神がいますし」


 顔に出ていたようだ。


「でも偶然回復魔法を取っちゃう人もいたりするんじゃないですかね? 勝田さんはもう知っちゃってますけど」


「あちらには上手く伝えておきます。まだ勝田さんだけですし、なんとかなります」



「……ところで教祖はどなたが?」


「もちろん先生で」

「センセー!」


 ミーティさんは知ってる単語だからと言って嬉しそうに発言しなくてよろしい。周りの目も、さも当然のごとくである。

 うーん。神を信じますか?はやりたくないが、ダンジョンで神の声を聞いて頑張りましょうならまだいいのか? 宗教って寄付金は非課税なんだっけ?


「ということで、箔付けに大治癒(ハイヒール)まで取ってもらえますか? えも大事なので」


「……了解、しました。でも捕まったりするのは嫌ですよ。説教みたいのもできませんし」


「神を、信仰を作ろうとするから説教が必要なんです。こちらにはもういるのですからドーンと構えて神の御業が見せられればいいだけですよ。後は教典の叩き台を作ってもらいますので」


 そう言って笑うアユミさんだが、逮捕されることは明確には否定してくれなかった。

 大治癒(ハイヒール)より先に精神力向上が欲しい。SPが欲しい。賢さ向上はどこですか。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] 賢さあげても思いつきとかは計画は立てれないと思うよ
[良い点] 主人公が器用貧乏で回復魔法特化で周りのキャバ嬢sが戦闘系だとマイさんともう一人ぐらい積極的になったらもう酒池肉林では…?(キャバクラ的な意味で)
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