53 火属性魔法矢を使ってみました
勝田さんにはこれから用事がありますとメッセージで告げ、再度迷宮へ潜る。
まずはレベル上げだ。異世界の連中よりなるべくレベルは上にしておきたい。
「火属性魔法矢」
6層の猫ちゃんで属性付きの魔法矢を試す。消費MPはただの魔法矢と変化なし。破壊力ももちろん問題なし。
「シッ」
短刀も素早い敵には向いている。勝手に向かってくる敵を体捌きのついでに撫で斬ればいいだけだ。逆手に装備した2本の短刀を試すように振り回し敵を殲滅していく。
「魂強度が上昇しました」
計200体やったか。短刀二刀流だが職業解放はなかった。
7層を最短で通り抜け8層。
「……さて、トンボに通用するかどうか」
前回と違うのは火属性魔法矢と迅動だ。火属性魔法矢が弾かれずに決まるのであれば楽勝。複数ミイラとトンボが出る都合のいいここでも200体狩りができる。
曲がり角を曲がるとのそりと影が動き出し、爆音の羽音が響き渡る。
「火属性魔法矢」
動き出した影に着弾。ミイラの頭が弾け、燃え上がった。隣にももう1体いる。上にはトンボだ。
「火属性魔法矢」
すかさずもう1体のミイラを屠る。次は……。あれ?
「逃げた?」
ドップラー効果で波長が長くなる羽音だけを残してトンボは消えていた。
「逃げる敵も初めてだな」
残された魔石を拾い次の敵を探す。
何パターンか試してみたがミイラを火属性魔法矢で倒すとトンボは逃げを打つようだ。ミイラを魔法矢で倒せば逃げない。
当然というか弱点であるようでトンボも火属性魔法矢一撃だった。
「そして魔石がでかくてかさばる」
もうリュックに入りきらない。
もったいないが猫ちゃんの魔石を投棄し、トンボの魔石に入れ替えた。
「魂強度が上昇しました」
MP消費に注意しながら狩り進め、本日5回目のレベルアップ。ミイラも計200体やってやった。
時計は午前2時を回っていたが下への階段は見つかっていない。換金所で見せてもらえたマップは8層までだったので、ここら辺のレベルが迷宮街の上位レベル層だと思っている。
「また、寝るの遅くなっちゃったな」
あとはスライム200体とトンボ200体か。その先もあるにはあるだろうが、とりあえずは合格ラインといったところか。あの2人もとっととレベル上げてしまおう。
そして、もっと下層へと潜るのだ。
現地の人にも負けない階層に。
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