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24 現地にお泊まりしました


 日が暮れてきたので教えてもらった宿へと急ぐ。


 たどり着いたのは石造りの二階建て、木塀に囲まれたなかなかに立派な建物だった。セキュリティも高そう。


 アーチ状の入り口をくぐると、正面には階段があり右手にカウンター。左手に食堂が見える。さて交渉だ。


「ランカエラー。ダンヤン?」


 カウンターの気の良さそうなおじさんが何かを問いかけてきた。ランカエラーはランカーより丁寧な「いらっしゃいませ」。これはもう覚えた。ダンヤンは「泊まりかどうか?」もしくは「何泊か?」だと思われる。笑顔だがさりげなく視線が服装チェックしていた。


「個室、泊まりで」


 先程、飯屋の店員さんに説明したボードを取り出し、個室が希望だと伝える。怪訝そうだが個室希望は多分通じた。


「何泊か……か」


 どう伝えればいいだろうか。


「あー。個室はいくら? 何銀貨(マンデ)?」


 ボードの個室絵をコンコンさせながら銀貨何枚かを聞いてみる。


「ナンマンデ? ンンー、マフデ、ラディ」


「マフデ? じゃこれで大丈夫かな?」


 銀貨5枚を取り出してみる。


「サカム、マジデ」


「マジで?」


 首を傾げると食べるジェスチャーをしていたので、夕食か朝食かその両方が銀貨2枚ってことかな……。


「ノーサンキュー」


「ライライ」


 とりあえず手を振りお断りすると了解したようだ。この辺の肯定否定などの基本的なジェスチャーが通用するのはありがたい。


 壁に掛かっていた鍵を取り出したおじさんは部屋まで案内してくれた。


 2階が客室全5部屋、トイレは通路突き当たりにあり共用。トイレ手前の左の部屋が今晩の寝床だ。間取り的に4人部屋2つ、2人部屋1つ、1人部屋2つかな?


 案内された部屋の広さは6畳ほどだろうか。木製のベッドとテーブルに椅子2脚、壁には外套掛けも付いている。暖房設備は付いてないが冬とかないのだろうか。


「ベツトム!」


ありがとー(ラマダー)


 ベツトム言いながらおじさんが去っていった。ごゆっくり的なやつかな。


 さて、チラッとドアを開けて見せてもらったトイレを見に行く。和式便所に近いだろうか。スリットのように開いた穴をスマホのライトと覗き込んでみると床下でブツを壺で受けるようになっているようだ。


「やはりこのクオリティか……」


 そこそこ良い宿でもこんなもんなんだろなー。ギリギリ使えないこともないこともない。小なら気にしない。

 置いてあったけつ拭き用だと思われる厚手の枯葉は柔らかくしっとりしていて、パリパリしてなかった。なんだこの異世界クオリティ。




 自室のベッドはゴワゴワしたシーツだったがお日様の匂いがした。


「……ダニの死骸じゃなくて繊維が紫外線で分解された匂いなんだっけ」


 月も元の世界と変わらなかったが、太陽の光も同じなんだろうかと益体のないことを考えつつ、やる事もないので早寝した。


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― 新着の感想 ―
[一言] 異世界言語は適当に出したものをメモっておいて蓄積させていくタイプなのか、連載前にある程度必要そうな異世界の単語を作ってからスタートしたのか。 気になります。
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