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20 刀デビューしました


 とりあえず見た目はピカピカになった刀を迷宮で振ってみる。


 袈裟斬りからの左逆袈裟斬り、左袈裟斬りからの逆袈裟斬り、一文字からの逆一文字。振り上げて真向斬り。


 折れない。硬すぎず柔らかすぎず、ガタつきもなくしっかりとした手応え。幸い、特に折れそうな不安感はなかった。


 マイ刀には樋という溝がないので振っても風切り音は控えめ。手を刺さないように慎重に鞘に戻す。いい感じだ。


 この迷宮は敵が消えてなくなるからいいけど、時代劇なんかで人を斬った後、血振りして鞘に収めると鞘に血糊だのがついて使えなくなる気がする。


「ファンタジー迷宮で良かった」


 衝動買いした刀だったが手入れの煩雑さに既に持て余しつつあった。



 気を取り直して、2層に下りる。


 メイスとはまた違う間合いに戸惑ったが、刃筋を立てて振れば折れたり曲がったりはしない。メイスより半歩踏み込めばゴブリンの首が飛ぶ。


 素人のまさに付け焼き刃の研ぎでもこの切れ味だ。レベルアップした身体能力で振るえば達人にでもなったかのようだ。刀と敏捷向上のパッシブスキルとの相性も良い。


 3層に下りる。


 今度は動画で予習しておいた刺突のみでゴブリンを仕留めていく。


 自分の動きが最適化されていくのが分かる。無駄を省き、突き入れ、素早く引戻す。


 調子に乗ってしまっていたのか魔石を拾う時に刀が太ももに当たり少し切ってしまった。


 初めての負傷。絆創膏でことは足りた。


 鞘に戻すか迷いどころだ。



 4層に下りる。本番だ。


 抜き身の刀を持ちつつ見落としのないように進む。


 ゆらりと視界の端でなにかが揺れる。


 いた。


 相変わらず暗がりで視認しにくいほぼ透明ボディ。先日は手も足も出なかったスライムだ。


 伸ばしつつあった触手を逆袈裟で切り飛ばす。


「チェストォッ!」


 振り上げた刀を脇に引き戻し、踏み込みと同時に半透明の核へと突き刺した。



『魂強度上昇。職業、武士を解放しました』


「そこ侍じゃないんだ」


 思わずつっこんだ。まぁ武士でも侍でもいいんだけども。


 べちゃりと破れたスライムはゴブリンより大きい魔石を残して消えていった。


「よし、後1レベル!」



 目標まで残り1レベルとなった俺は、スライムをサーチアンド斬殺した。突きだけでなく斬ることでも倒せたのは刀のお陰だろう。刀良い。


 3匹で目標達成。レベル10になったので早速迷宮街に向かう。




頑張って更新するのでブクマと評価をしてもらえると嬉しいです。

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