14 現地調達しました
武器防具屋なら迷宮の近くだろうと明るくなった道を歩く。
道端には夜中にはなかった屋台が立ち並び、粥のようなものや汁のようなものを食べている人や、魚や貝を売ってる人、でかい肉を吊るし切り売りしている人もいる。
これだけ人が多ければ自分も目立たなそうだ。
人混みを抜け、迷宮を囲む長屋までたどり着くと武器屋や防具屋が軒を連ねていた。近くて便利だ。
武器屋でメイスを探す。剣や槍などの武器種で店が分かれているようだ。小さな商店が寄り集まって長屋を形成していた。
鈍器専門店に入る。金属の棒の先端がゴツゴツとした2メートル程のポールハンマーから30cmほどのトゲトゲ鉄球に持ち手を付けただけのメイスまで雑多に並んでいた。
おっさん店員が胡乱な目で寄ってきたので銀貨を5枚取り出し、予算を見せつける。
「どれなら買える?」
人差し指で並んでる物をさしながらどれなら買えるジェスチャーだ。
「ンー。ゼントラ、マフデ」
おっさん店員が買えるものを順番に指差していく。あんまりトゲトゲしていると持ち運びしにくいんだよね。
50cmのトゲトゲが大人しめのメイスを銀貨4枚で購入。LEDランタン2個分だ。安い。
腰にメイスを保持できるベルトも銀貨1枚で買えた。刃物ではないといえ街中をそのまま持ち運ぶわけにもいかない。
次は防具だ。足の防具が欲しい。
革でも厚めのものは重い。その割に耐久性も疑問だったので方針転換して、貫頭衣というか前掛けというか頭から被る硬めの革の服的なのを銀貨3枚で買った。目立たないコスプレ用だ。
小さめの鉄板を貼り付けたスケイルアーマー版も銀貨8枚であったがカチャカチャうるさいので俺には向かない。似た感じに硬質ゴムでも貼り付けてみようかな?重いかな?
普通の革鎧だと調整に時間がかかるらしい。頭から被る系のは紐で縛って終わりだ。メイスのベルトでなかなかの蛮族具合。
全体的に防具の質はいまいち。あと銅貨もあり10枚で銀貨1枚のようだ。
とりあえず冒険者風にはなったので、迷宮の入り口に行ってみる。槍を携えた見張りがいたものの身分チェックなどはなく誰でも入場可だった。
これなら昼間からきても大丈夫そうだ。次は冒険者をストーキングして魔石などの売却方法を観察したい。
無事帰宅してトイレがてら近所の牛丼屋に行き、防刃生地を検索しながら寝た。
25,000円くらいで長袖の防刃ロングTシャツ買えるのね。ぐぬう欲しいが高い。
銀貨の残りは15枚。