表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星守の竜機士  作者: 97
1/1

1、新たな生活


 バリバリと、引き剥がしたガムテープを荷物の詰まった段ボールに、隙間が無いように丁寧に貼り付ける。

「これで良し。」


 元から荷物は少ないので、荷づくりは早く終わり時間が余ってしまった。



 改めて片付いた部屋を見渡すと、まるで別の部屋のように広く、そして少し懐かしい感じがした。

 少しの懐かしさに浸りつつも、無くさないようにと、備え付けのベッドの上に置いていた一枚の封筒を手にとる。


 封筒には星島学園と記されている、入学通知だ。

中には許可書や課題、入学当日の日程などが入っていた。

これを渡された日を思い出す。


 「ほれ、これに目を通しておけ。」

唐突に星島学園と記された封筒を渡された。

「珍しいですね。」

「…ん、何が珍しい?」

この人は水守玄、俺の祖父だ血は繋がってってないが少なくとも、俺はこの人の孫だと思っている。


 話はそれたが、この水守玄という人は普段は眉間にシワを寄せ、口は一の字を書いたかのように結ばれていて、お世辞にも愛想のいい人とは、言えない人だった。

 そんな人がここまで表情をゆるめているのは、とても珍しい事だ。

 「とても嬉しいそうなのが、珍しく思ったので。」

 「む、そうか……」

 本当にどうしたのだろうか、今日は良く表情が変わる。

 「まぁ…孫が晴れ舞台に立つんだ、嬉しいに決まっているだろ?」

 本人は引き締まった表情をつくっている、つもりだろうが、やはり嬉しいそうに見えてしまう。

 「前々から言っていたが、お前の入学が正式に決まった。」

祖父の目線を追うように、星島学園の文字に目を落とす。

 「慣れない事で苦労はするだろうが、今のお前には必要なことだ。もちろん楽しいこともある、今は、何も分からなくていい。」

 

まるで何かを思い出すかのように、息を吸いながら俺の目を真っ直ぐに見てくる。

 「これは、あいつの願いでもあったんだ。だからお前は、お前が本来送るべき生活を送ってくれ。継義」


 回想しながらも整理した荷物を一か所にまとめ、引っ越しの準備を終わらせた。

荷物は、後で取りに来てくれるそうなのでそのままにしておく。

 出発の時間だ、名残惜しい気持ちと共に部屋出る。扉を閉める直前思いとどまり、最後にもう一度部屋を見渡した。

 「行ってきますっ!」

ビシッと敬礼をして俺は部屋を出た。

行ってらっしゃい、そう聞こえたようなきがした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ