聖なる不審者
12月24日
「聖なる夜、俺はバイトで貰ったホールケーキを食べようとしていた。
だいたい状況は分かるだろ。
俺は賢いから、
「いっただっきまーす!」とか言って箱を開けたらケーキがグチャグチャで…なんていうフラグは建てない。
フォークも綺麗な皿も用意して、準備万端。
俺は箱を持ち上げた。
ほら、美味しそうなホールケーキが無い。」
…えっ?
嘘だろ?
「俺は動揺した。なにしろ、寒い中接客してやっと手に入れた苺たっぷりのホールケーキが消えていたからな。」
なんでケーキが無いんだ?
「動揺しているので俺は色々な事をした。テーブルの下にケーキが落ちていないか確認したり、ゴミ箱に誤ってケーキを捨てていないか確認したり、カーテンの裏にケーキが隠れていないか確認したり。」
勢いよくカーテンを開けた。
「その結果、俺は悪魔を見つけた。」
ツノの生えた悪魔が俺のケーキを食べていた。
「やっと気付いたのか、俺君」
俺は何がなんだか分からなかった。
幸せに終わりがあるのは悲しいけど、しょうがない。
けど悲しいんだからそれもしょうがない。
幸せを大事にって言われても、大事にできないうちが
一番幸せなのかもしれない。
幸せに終わりがあることを知らないから。