勘当
15歳の誕生日。家を勘当されてしまった。成人の儀を受けて錬金王になったと父に報告に行ったら
「なんだと!錬金王?!お前は!戦うよりも物をこねくり回す方が好きだと言うのかっ!そんな軟弱者はこのセキトワ家にはいらん!でてけっ!!!」
と言われてしまった。辺境伯という立場上弱いことは罪ってのはわかるけど勘当されるとは思わんかったわ。正直兄たちと戦って錬金術の有用性と俺の武術を見せれば勘当は解いてもらえると思うが、めんどくさいし、元日本人の俺としては王様に仕えるってのは理解できんからそれでいいかなぁ。親子の絆ってのもないし。ってわけで今世の俺ことセキトワ・ルーインは勘当された。
あ、俺の名前かっこよくね?今はただのルーインだけど。
とりま冒険者ギルドいくか。もちろん喋れるようなってから確認ずみです。あるそうです。ではいくぅ!イヤッフゥ!
「おーい!坊ちゃん!」
「ばあちゃん!」
俺を育ててくれた乳母のばあちゃんである。名前は知らん。
「聞きました。勘当されるそうですね」
「ごめんばあちゃん…俺…」
「いいのです。あなたはまったく手のかからない子でした。なのでこれからも上手くやっていけるでしょう。頑張ってください」