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思い●男●相続
母の死体が片付けられた二日後、私の家には黒い帽子と黒のピッシリとしたスーツを着こんだ1人の男性がきた。
国家未成年者保護団体と言うらしい。
私は何が何だかわからずその人から話を聞くと、この国では未成年には相続権が無く、この家もこの服も全てが二十歳にならなければ相続できないと言う話であった。
私は病気の母のために十五歳から働きに出ていたのでこの国の法律的は、全く知らなかったのだ。
自分が何も知らないことや、母が亡くなった気持ちや色々なものが私の中ではじけた。
そこからのことはおぼろげにしか覚えていない。
何かの紙に自分の名前をつづり、その男を見送った。
その晩、大きな車が私を迎えにきた。