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絶望●生活●プロローグ
雪の寒さが肌をつく…
隙間の多い此の家には暖まる場所は無かった。
部屋を見回しても何もない。
有るのはネズミの糞とクモの巣だけ…
三年前に父が流行り病で他界し、母も疲労で倒れ憔悴している。
私は母と私の食事を購入する為、母がやっていた仕事を引き継いだ。
鉱石加工の工場だ。
この工場は国の主要資源である、翡翠、ダイヤ、水晶、鉄鋼を加工する工場で有る。
翡翠と水晶は体内に入れる補助器具や健康用品に使うために液体にしたり、適切な大きさにカットする。
ダイヤは三百年前に無くなった石炭の代わりに加工して、燃焼しやすくする。
鉄鋼は建築物に使いやすいように加工する。
私は専門知識も技術もなかったので、一番給料の安い鉄鋼部門にいた。
血を吐きそうになる肉体労働、腰も痛めて血尿が出たこともあった。
そんな生活が五年間続いた。