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それでも君はまた恋をする  作者: 月乃結海
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自己紹介

 私の名前は、松田りえ。都内に住む26歳。

 仕事はOLをしている。実家はめちゃくちゃ田舎だった。都会の憧れがあり飛び出してしまった。


 そんな私はこれといって趣味もなく毎日なんとなく過ごしている。

 ただ、恋すること意外は……


 現在の性格だって社交的な方だし、周りからの評判だって悪くは無い。


 なのに……いつも恋だけは上手くいかない。


 恋だけは……


「 おはよう!りえちゃん! 」


「 おはようございます! 」


 いつも上手くいかない、そんな私には今。

 好きな人がいるんだ……まだ出会ってそんなに経ってはいないけど、少しずつ距離は近づいてる気はする……



 私の恋が、上手くいかない原因は他にある。


 私は……いつも相手がいる人を好きになってしまうのであった。


 昔からの友達も次から次へと結婚してしまっている。私にも焦りがない訳でもない。


 親からも言われない訳ではない。


 なぜ、相手がいつもいる人を好きになってしまうのかは、自分にも全然分からない。


 今の好きな人に相手がいるのだろうか。

 そんな年下の彼との出会いについて語っていこう。


 ーー3ヵ月前の事


 まだ彼は異動してきたばかりで、対して仲がいいわけでもなかった。


 でも、彼が異動してきてすぐのことだ。


 エレベーターですれ違った時の事……


「 すみません、あのー 」


「 え? 」


「 ジャケットの裾が…… 」


 え!?破けてる!!!


 身なりをいつも気にしていた私は、恥ずかしくなりとっさに逃げてしまった。

 気をつけていたつもりだったけど、そういえば朝会社に来る途中、自転車に引っ掛けてしまったのを思い出した。


 あ!あの時だ!

 全然知らない人に、こんな事で話しかけられるなんて……私とした事が。

 プライドの高さが少し邪魔だったりもする。

 女友達には、見せていないプライド……


 そして……


「 異動して来ました、宮本です!よろしくお願いします! 」


 さっきの人だ。

 何事もなく爽やかに自己紹介をしている彼にときめいてしまった。


 それが私と彼の最初の出会いであった。


 あの爽やかさ。少し腹ただしい気持ちと近寄ってみたいという好奇心が私の中で入り混ざっている。

 さっきの事をあの人は覚えているのだろうか。

 私は、あの人の自己紹介をたぶん会社の人達の中で一番興味津々で聞いている。


 年齢はいくつくらいなんだろう……

 年下のようにも見える。



 そして破れてしまったジャケットは、バレないようにそっとカバンの中へしまったのだった。



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