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28 2次元の愛戦士 ミロク参上!

「何すんだ! コンニャローめ!」


「あるじひどいにゃ!」


 只今正座中……


 緑の道着に袴の男に、手に持つ錫杖でコンコンコンコンと頭を叩かれ、既に頭は大仏様のよう……

 そしてトラさんには顔をしこたま引っ掻かれ、現在痺れてる俺の足をチクチクと爪で刺しております……


 この緑の男。 親友であり悪友であり戦友であるミロク。

 母ちゃんに蹴飛ばされ、異世界に飛んだ被害者2号である。

 180を超える身長に、長い黒髪を首の後ろで1つに纏めた和風イケメン…… ケッ!

 入場許可出した日に来るとは思わんかった……


「まーコレはハチ様が酷いでおじゃるな」


「うむ。 トラを投げる事はなかったでござる」


 そしてこの、おじゃるなペンギンはトシゾウ。

 ミロクの眷属でイワトビペンギンである。

 赤い嘴と、目の上の黄色い羽飾りが素敵なナイスガイである。


「だって近くに投げるモノが無かったからさ……」


「だからってオイラ投げるにゃ! そもそも投げるって発想がおかしいにゃ!」


 ああ、トラさんヤメテ下さい。 俺の足はもう……




「あーひどい目にあったぜ」


「じごーじとくにゃ!」


「ハチの言っていい言葉じゃねーぞー」


「ほっほっほ。 相変わらずでおじゃるな。 ハチ様は」


 居間に集結した俺達。

 ハンゾウはお茶の準備中。


「そんで此処はどうなのよー? ウチ等の行った世界なんてホント詰まんなかったよー」


「そうでおじゃる。世界の神とやらは低級神でおじゃるに威張り散らしおって……」


「此処もたいして面白い事も無いよ。 トラって家族が出来たのが良かったけどな」


「んで、もう他の世界行こうかって話してて、何気なく行ける神界一覧眺めてたら【ハンゾウの島】ってあるじゃないですか! 慌てて転移したらこんなカワイイ子猫ぶつけるとか…… ないわー。 ハチそりゃないわー」


「麻呂はあの時、正に鬼を見たでおじゃる。 正しく女番長の息子と認識したでおじゃる」


 グホッ…… 母ちゃん使って精神攻撃とは……


 そしてミロクとトシゾウに挟まれて座るトラさんは、両サイドから頭を撫でられご満悦である。


「お、早速仲良しでござるな。ミロク様もトシゾウも凄い御仁でござるから、沢山学ぶと良いでござる」


「にゃふ! 分かったにゃ!」


 和気あいあいな皆さん。 なんだろう、俺の味方が居ない気がする……




 お茶を飲みつつ、お互いの異世界体験を報告しあう。

 その間、トラさんはお茶請けのどら焼きをモグモグ。

 隣のペンギンはボロボロ溢すトラさんの世話をしていた。


「そっかー。 んじゃハチとハンゾウはこのトラちゃんを育ててる訳だなー?」


「そうだな。ほぼメインはハンゾウがやってるが」


「戦士の父上の血なのか、なかなかの逸材でござるよ。 何より根性があるでござる」


「そうかそうかー。 凄いんだなートラちゃん!」


 ミロクはトラさんの頭を撫でる。 が、トラさんはどら焼きに夢中で聞いておらず?顔であった。


「トラちゃんの修行に島開発かぁ。 よーし! 俺も此処に家建てちゃうぞー」


 なんと! 此処に住み着く気満々じゃありませんか!


「ミロクは自分の神界とか異世界とか作らんのか?」


「えーめんどい。そーゆーのはハチに任せて、俺はハチの元でフィギュアとかアニメ三昧で過ごすって決めてたしー」


 うわっ最悪や。 此処にろくでなしがおる……


「つことでヨロシクねー 世帯主(ハンゾウ)さん」


 俺が世帯主だっつーの!




 朝もやに包まれた島に朝日の光がキラキラと差し込む。


 そこに響くトンテンカンテンという音……

 朝早い時間から、ミロク、ハンゾウ、トシゾウの3人が家作りに励んでいた。

 160cm程の身長に黒の束帯、黒の冠を着けたのが人化したトシゾウ。

 その姿で材木を運ぶ。 似合わねぇ……


 つか、着流し、道着、束帯、忍者服って和装多いな。

 俺なんてTシャツにジーンズ、茶革のポンチョ型外套…… 此処でも仲間外れかよ……


 ちなみに、トラさんは日課のおさんぽ(ランニング)に、俺は朝食作りに。


 


「うをぉぉぉ! 白米に味噌汁! そして焼き魚! 素晴らしい…… 素晴らしいぞハチ!」


「うるせぇ! 黙って食え! 普通の朝食じゃねーか!」


「麻呂達は壊滅的な味音痴でおじゃるから…… 異世界では焼くか塩水で茹でるくらいしか食べれなかったでおじゃる……」


 静かに涙し、食べるトシゾウ。 そうか…… 苦労してたんだなぁ。


「ん? レトルトとか缶詰とか食ってたろ」


「ミロク様…… 良い感じに騙せてたのに、そゆ事言うなでおじゃる……」


「嘘なんかい!」




 騒々しい朝食後、動き始める自称名工達。 トラさんも参加のようだ。

 俺は朝食の片づけ。

 流しに食器を置いて、ふと思う。


「うんいいね。 悪くないな」

 

 騒がしいけど、日常が帰って来たみたいで、思わず笑みがこぼれた。


「ハチー! カーテン作ってー! 美少女アニメ柄で!」


「ねーよ! そんな柄の布地は!」


 すっごい五月蠅いんだけどね。


お読みいただきありがとうございます。

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