表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/28

13 トラさん運動するの巻

 此処は広いウッドデッキの上。

 其処は腕を組み、仁王立ちの俺と、気合十分、鼻息も荒いトラジローの姿が……


「これより! トラジロー隊員の!基礎体力向上訓練を行う! 準備はいいか!?」


「にゃー!」


「気合は十分か!?」


「にゃー!」


「朝食はちゃんと食べたか!?」


「にゃー!」


「お腹いっぱいまで食べると横っ腹痛くなるから注意だ!?」


「にゃ!? なんで今言うにゃ! そゆのは食べる前に言うにゃ!」


 おもしれーな、トラさんは。




「まず最初に紹介するトレーニングマシーンはこれだ!」


 そこには大きなタライが横付けされたような物が……

 それはハムスターが大好きな、中に入ってシャカシャカ走るホイールのでっかいバージョン!


「これは何にゃ? どうするにゃ?」


「これはまず、中の縁の所に乗るんだ」


「わかったにゃ! ……んしょ。 にゃ! 乗ったにゃ! グラグラするにゃ!」


「では縁に沿って歩いてみるのだ!」


「らじゃーにゃ! にゃふにゃふ…… お、すごいにゃ! 同じトコでスイスイ歩けるにゃ!」


「走ることも出来るぞ。 正しあまりスピードを出すと急には止ま「にゃっほー!」れない……」


「早いにゃ! すごいにゃ! 楽しいにゃ!」


 凄いスピードでホイールを回すトラさん……

 話は最後までちゃんと聞きなさいと何時も言ってるのに……


「にゃ!…… ちょっと…… 疲れて…… にゃ! 止まれないにゃ! 助け! にゃ! 止まれなへぶっ!」


 あ、転んだ。


「にゃあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁ……」


 1人ループコースター状態である……




 デッキの上で大の字でグルグル目を回すトラさん。


「ひどい目にあったにゃ……」


 自業自得である。




「続いてのトレーニングマッスィーンはこれだ!」


 布を取って現れたのは、大きなスプリングに木馬の乗った物。

 そう。木馬に乗ってゆらゆらするヤツである。残念だが名前は知らない。

 普通スプリングは硬いが、これは柔らかめにしてある。

 激しく動く事で体幹強化を目指しているからだ!後トラさん軽いからね。


「にゃははー 楽しいにゃー」


 ぐねぐねゆらゆらと木馬を傾け、倒し、楽しくトレーニングするトラさん。

 そして、床に頭が付きそうな程傾けた、次の瞬間!?


「にゃあああああああぁぁぁぁぁぁ…………「ザッパーン!」……」


 スプリングの返す力に飛ばされ、砂浜の海に大きな水柱を作りながら、着水した……




 浮いてるトコロをタモで掬い上げられ、救出されたトラさん。

 びしょびしょな身体でデッキの上で大の字になり、息も絶え絶えである。


「ひっ…… ひどい目にあったにゃ……」


 調子乗りすぎである。




「続いてのトレーニングはこれだ!」


「トレーニングより海水でベタベタにゃ…… 拭いてほしいにゃ……」


 トラの願いは無視し、首のトコロを持ち、次のトレーニング場へ連れて行く。

 そこは島の農地用に作られた、泉から延びる1本の小川のような用水路。

 直線で距離100mほどの用水路は、水量調整のレバーが下流に有る。

 それは態々泉まで行かなくてもいいように付けたのだが……


「にゃっはー! ベタベタ落とすにゃー!」


 別にトラさんをキレイキレイする為に連れてきたんじゃない……


「…… この真っ直ぐ伸びた用水路を水の流れに逆らって下流から泉まで進むんだ! 足腰が鍛えられるぞ!」


「にゃ! オイラやるにゃ! にゃにゃにゃにゃにゃにゃー!」


 気合を入れて上流へ駆け上がるトラさん。

 そして走って帰って来る。


「こんなの楽勝にゃ! もっと水量増やすにゃ!」


 そう言ってレバーを操作するトラ。ああ…… そんなに全開にしたら……


「よしいくにゃ! にゃにゃにゃにゃにゃにゃー!」


 気合を入れて上流へ駆け上がるトラさん。

 だが、途中で引き返してきた。必死の形相で……

 レバー全開にした事により、トラさんに迫る水の壁。


「にゃー! にゃー! た、たすけごももも…………」


 無情にも飲み込まれていった…… 南無……




 念の為に下流最終地点に設置してあった防護ネットの中にトラさんは居た。

 ネットに絡まり、エグエグしていた……

 そしてデッキに運ばれ、大の字で泣く網目模様のトラさん。


「ひっひっ…… ひどい目にあったにゃ……」


 やると思ってましたよ。




「ひどいにゃ! これじゃ命がいくつあっても足りないにゃ!」


 いやいや、用量、用法を守ってお使い頂ければとても良い運動で御座いますよ。


「もっとにゃんか、普通のがいいにゃ」


 仕方ない…… 出したのは普通のバランスボール。


「この上に乗ってコロコロとデッキ中動き回ってらっしゃい」


 早速ボールに乗り、動き始めるトラさん。

 すぐにコツを掴めたのか、得意満面の笑みで乗りこなし、動きmあ、顔から落ちた……

 が、すぐ起き上がり乗り始めた… 楽しそうでなによりである。


 次は帽子にゴムつけてゴムの先にボールを付けたヤツ。

 どっかのプロボクサーがやってたのだ。

 だがこれはトラさんには合わなかったようだ……

 始めて20秒で絡まって動けなくなるって……


 続いて取り出したのは、スプリングにボールを付けた物。

 いわゆるパンチングマシーンである。


「うにゃにゃにゃにゃー!」


 凄い速さでネコパンチを繰り出すトラさん。


「にゃー!」


 とらさん渾身の右がさく裂!ドヤ顔のトラさん。

 だがしかし!スプリングの力で戻って来たボールがトラさんに逆襲!

 ドヤ顔のトラさんの顔面を打ち抜いたボール。

 吹き飛び、デッキを滑って行くトラさんは… ポトリとデッキから落ちた……




「楽しそうな事してるでござるな」


 ハンゾウがライフワークの畑仕事から帰って来た。

 バランスボールに乗ってたトラさんは満面の笑顔だ。

 色々用意したんだがハンゾウには勝てないらしい…… ちくせう……


「兄ちゃ! おさんぽ行くにゃ!」


 バランスボールを投げだし、ハンゾウの元へ駆け寄るトラさん。


「ははは。 じゃあ道具片づけるでござるから、ちと待つでござるよ」

 そう言って倉庫に農具を片付けるハンゾウ。

 そして人型からインコに変わり、トラさんの頭の上にパイ〇ダーオン。


「出発にゃー!」


 全力で走り出すトラさん。その顔はとても楽しそうだ。

 そして、視界から消えた。


 結局おさんぽが1番の運動なんだろう……

 そう思いながら、トラさん用の運動道具を片付けた……




 つかあれだけ動けるなら基礎体力十分じゃね?


お読みいただきありがとうございました。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ