プロローグ2
頂上へと放り出され、途方に暮れた。
空には満点の星空。月明りは強く、森の中でも薄っすらと地面を照らしている。
だがあくまで薄っすらとだ。道はなく、当てもない。
「レイギス」
(フハハ! なんだ?)
「これからどうすればいいのかな? 村とか町とかの方角は分かる? 見た感じ、人の気配が一切ないんだけど……」
周囲には木ばかり。木々の隙間から下界を除いてみても、民家の光らしきものは確認できなかった。
つまり、現在地は人の手が入っていない深い山の中と言うことになる。
地球人の中でも都会っ子で比較的もやしに分類される僕が進むには、あまりにも過酷な環境だった。
そこで頼るべきは自分の中にいるもう一人の存在。天才を自称するのならば、それなりの答えが返ってくると予想していたのだが――
(歩けばいいさ。アイナは月兎の世界と同じで丸いからな! 歩いていればいつか人に会う!)
「あ、はい」
まさかの大和魂を超える無茶理論が飛び出してきたところで、頼ることは諦めた。
自分の記憶の中から使えそうな知識を引っ張り出そうとするが、遭難時の対応などなるべく動かず救助を待つ、チョコレートがいいぐらいしか知らない。
つまり――
「詰んでる……」
(諦めんの早ぇよ! とりあえず歩こうぜ。ここでじっとしてても事態は好転しねぇし)
「そもそもなんでこんな人のいない山奥に遺跡なんて作るかなぁ」
今のレイギスの状態として目覚めることを想定していたのだとすれば、人里から離れすぎているこの場は明らかに場違いだ。
だがレイギスからすれば、僕の考えの方がおかしかったらしい。
(あん、そりゃ当然だろ。あんまり人里が近けりゃ、復活までの時間が稼げない。俺が見たいのは未来の姿だからな。ある程度年月が経たないと眠った意味が無くなっちまう。それに、遺跡が民家や公共物の真下に見つかってみろ。花火が打ち上げられなくなっちまう)
「絶対後半の方がメインでしょ」
(ハハハ! 天才の復活は派手にな!)
はぁと大きくため息を吐いた
歩かなければ何も解決しない。レイギスの言うことも事実なのだ。
気持ちを奮い立たせ、暗い山道を歩き始める。
ただ山の中を歩き続けるのも暇だし心細い。僕は僕の中の同居人に色々と訪ねてみることしにした。
「そもそもレイギスはなんで遺跡に保管なんてされてたのさ? なんかの刑ってわけじゃないんでしょ?」
ここまでの話を纏める限り、自分の意思で遺跡に保管されていたように感じる。
であるならば、保管を選んだ理由があるはずだ。
(それを説明するにはまずこの世界の歴史を知る必要があるな)
「長い話になりそう」
(天才的な要約で子供でも分かるアイナの歴史を教えてやろう!)
自信満々にレイギスが語り始めた。
(まず事前知識として、この世界アイナには大きく二つの歴史が存在する)
「二つ?」
(おうよ。俺の生きていたグロリダリア時代と、今のリリム時代だ。グロリダリア時代は約二千年前に終了している。それ以降がリリム時代ってことだな)
「終了って滅んだの?」
(正確にいえば違うが、感覚的にはそんなもんだな。そこで一度文明が消滅し、人類は石器時代からやり直している)
だから二つの歴史かと納得する。
(グロリダリア時代の文明は、月兎の世界よりも発展していた。魂の保管なんてことができる時点で月兎もそれは分かるだろ?)
それはなんとなくだが分かる。現代でも魂に関する研究なんて完全にオカルト的な存在だし、手の甲に着けられた紋様の技術も明らかに隔絶している。
(これらの技術は魔法も応用しているからこそできたことだな。月兎の世界にはない理論だから、一重には比較できねぇがまあそれのおかげで、不可能はほぼないと言っていいレベルの文明だったわけだ)
「魔法もあるんだ。なのに終わらせた?」
魔法というフレーズに少しだけときめきながら、続きを促す。
(自分たちで限界が分かったからな。それは発展に伴う物質的な限界だ。どれだけ発展しても無から有は生み出せない。だから空へ広がることも考えたが、それじゃやってることはイナゴと同じだ。発展した世界で、俺たちはそんなやり方を否定した。もっとスマートに行くべきだってな。んで、出した結論が昇華だ)
「昇華?」
(魂を高次元へと移動させることで、肉体という物質的な限界から解き放ち無限にも似たエネルギーと能力を得ようってことだな。肉体から離れるから、この世界を必然的に捨てることになる。だからアイナでのグロリダリア時代が終了したわけだ)
「じゃあそこで人は絶滅したってこと?」
(いや。どこの世界にも技術を否定したがる連中はいるからな。ナチュラリストって呼ばれている自然の中で生活していた連中が残った。今生きているリリム時代人はそいつらの子孫だな)
「じゃあレイギスもナチュラリストなの?」
(あんなオークだかエルフだか分からん連中と一緒にすんな)
この世界に残っているということはそう言うことなのではないかと思ったのだが、レイギスには心外だったらしい。
(俺は俺たちがいなくなった後の発展に興味があってな。それに、昇華で人がいなくなったとはいえ、それまで作ってきた物がなくなったわけじゃない。俺みたいに遺跡を作ってわざと道具を保管した連中も何人かいたからな。それがどんな影響を与え、どんな発展をしたのか見てみたかったんだ。大規模な観察実験みたいなもんさ。リリムの人間がどんな技術や文化を持ってるのか。今から会うのが楽しみだ)
「なるほどね」
それをやろうと思う感覚はいまいち理解できなかったが、レイギスがここに残った理由は知ることができた。
レイギスからしてみれば、今もちょっとした海外旅行の気分なのかもしれないと思いつつ、進路を妨害している枝を押し上げて、その下を潜り抜ける。
レイギスの説明のおかげでだいぶ気は紛れた。だが、道なき道を月明りだけを頼りに歩くのは非常に難しく、思ったように進めない。凹凸に足を取られ、飛び出している根っこに引っかけられる。腐葉土の地面が突然滑ることもあった。
「山道ってこんなに歩きにくいものだったんだ……」
少し歩いただけで噴き出した汗を袖で拭い、小さく呟く。
(すこしでも歩きやすいところを探せ。多少なりとも踏み均されている場所は獣道になってるはずだ)
「獣道なんて通って大丈夫なの?」
この辺りの獣にどんな種類がいるかは分からないけど、肉食の狼のような獣に出会ってしまったら、手ぶらであり何の武術の心得もない僕は――詰む!
(それは運だが、夜行性の獣ってのは基本的に昼の競争に勝てないから夜型になった小型だ。そこまで心配する必要はねぇよ。それよりも今は獣道が続いている先が重要なわけよ)
「獣道の先?」
(肉食だろうと草食だろうと必ず水は必要だ。だから獣道は巣の近くから水場へと続いている場合が多い。こんな山なら湧き水か川だな。そこから下流へと下っていけば、おのずと人の暮らす範囲に行けるだろ)
「長い道のりになりそうだ」
ゴールの分からない我慢ほど辛いものはない。
(その間に、さっきの続きで俺の数々の武勇伝を教えてやるよ。月兎のことを俺は分かってるけど、俺のことを月兎は全然知らないからな。これから仲良くやっていくんだ。お互いを知るのは大事だろ?)
「一方的に情報搾りとられる前だったらいい人風に聞こえたんだけどねぇ」
事前相談なしに同居を始められた挙句、自身のプライベートなところまで全ての情報を強制的に持っていかれてしまったのだ。当然いい気はしない。
ハッキリ言ってしまえば、今のレイギスに対する僕の心象はマイナスに傾いているのだ。
◇
山の中をさまよい始めて四時間。ようやく小さな川へと出てくることができた。
服は何度も転んだせいで土に汚れ、いくつもの茂みを超えたために葉っぱにまみれ、枝に引っかかれた皮膚は所々傷になっている。
真っ暗だったはずの空はいつの間にか白み始め、足元ははっきりと見えるようになっていた。
正直言ってここまでたどり着けただけでもだいぶ奇跡だよ。
「や……やっと見つけた」
(結構時間かかったな。山頂から中腹までだと川が出来難いせいもあったかもな)
「考えてみれば、山が蓄えた水が下の方ででてくるんだから、当然だよね」
(同じことする奴がいれば教えてやらないとな)
「僕なら絶対止めるね」
念のため周囲を警戒してから川へと近づき、水に手を付ける。
湧き出したばかりの水は良く冷えていた。透明度もかなり高く非常に綺麗だ。
ゴクリと喉がなる。四時間も飲まず食わずで歩き続けたのだ。喉は当然カラカラだ。
「これ、飲んでも大丈夫かな?」
川の水は寄生虫などの危険もあると、よくネットなどでは言われていたのを覚えている。
慣れていれば問題ないのかもしれないけど、水なんてペットボトルのものか水道水しか飲んだことが無かったからちょっと心配だ。
(けど飲まない手はないだろ。安全な水があるなら別だが、随分歩いて汗もかいてる。水分補給は絶対必要だ。それに俺の予想が正しければ、月兎がこの水を飲んでも問題はないはずだ)
「その予想の根拠が気になるけど、確かに飲まなきゃやってられないや」
ここからもさらに川に沿って歩かなければならないのだ。後どれだけ歩かなければならないかもわからないのに、水を我慢することなどできない。
むしろ、湧き場に近い上流の方が水も綺麗な可能性は高い。
「じゃあいただきます」
水を掬って飲み込む。
疲れて空っぽになった胃の中に流れ込んできた冷たい水は、とても気持ちのいいものだった。
そして――
「この水、すごい美味しい!」
(そんなにか?)
「今まで飲んできた水の中で間違いなく一番だよ。なにが違うんだろう?」
(水の構成は地球と同じはずだ。となると、溶け込んだ成分の影響かもな。何をどう味覚で感じてるか分からねぇからはっきりとは言えねぇけど)
「そっか。けど、これならまだ頑張れそうだ」
たっぷりと水を飲み、顔も洗って汚れを落とす。
さっぱりとした気持ちで顔を上げれば、跨げてしまいそうなほど小さな川の反対側を少女が全力で駆け抜けていった。
「あれ?」
あまりにも突然の遭遇に、駆けていく背中を見送りながら思わずポカンとしてしまう。
そんなところにレイギスの声が響く。
(おい! 人いたぞ! 早く呼び止めろ!)
「そうだ! 君、ちょっと待って!」
「え、声!?」
呼びかけると、すでにはるか先にいた少女が驚いたように振り返る。
「君! ちょっと聞きたいことが」
「逃げてください!」
「え?」
「早く逃げて! 熊が来ます!」
少女が僕の言葉を遮って叫ぶ。同時に、少女が駆けてきた方向から咆哮を上げながら巨大な熊が飛び出してきた。
熊は僕に一瞥もせず、真っ直ぐに目の前の少女に向かって襲い掛かる。
少女は慌てたように駆け出し、すぐに森の中へと消えて行ってしまった。
一瞬の出来事に頭の理解が追い付かない僕とレイギスは、一人と一頭の消えた森をただただ眺める。
「今のは?」
(あー、熊に襲われた少女……かな?)
「あの熊、大きかったよね?」
遭遇は一瞬だけだったが、それでも熊の巨体はしっかりと印象に残った。
立ち上がれば優に三メートルは超えるだろう。そんなものに追い付かれたら、あの少女などひとたまりもない。
「た、助けないと」
少女たちの消えた森へと駆けだそうとするが、それをレイギスが慌てて止める。
(待て待て待て待て。月兎、お前どうやって助けるつもりだ?)
「何とかして……」
(俺以上に根拠無さ過ぎだろ。ここにはいい病院も医者も救急車もないんだぞ。迂闊に動くな。お前はお前自身の安全を第一にしろ。迂回してそっちの崖の上に上るんだ。あそこならもし熊が戻ってきても簡単には追い付かれない)
ファンタジーな世界であっても、この世界にゲームのような復活はない。そして今の僕には自身の三倍はある大きさの熊を倒せるような特別な力も当然ない。
そんな僕が熊を追いかけたところで何かできるはずもなく、余分に死体が一つ増えるだけかもしれない。
レイギスの指摘はどうしようもないほどに正論だ。
だけど僕にも譲れないものはある。
「そうだけど……そうだけど無視はできないよ。レイギスも僕の記憶を知っているなら分かるでしょ」
(そりゃ分かる。その子のために恩返しがしたいって気持ちは理解できる。けどそれとこれとは話が別だ! お前が死んじまったら、その子がお前を助けた意味が無いだろう!)
「……何も方法はないの? 僕じゃ何をしても無理なの?」
別にかっこよく熊を倒してあの子を助けようとか思っているわけじゃない。僕が何かすることで、あの子が助かる確率が一パーセントでも上がるならそれをしたいってだけだ。今の僕にはそれすらもできないのか――
――途方もない無力感に苛まれ、やりたいこととやれることの差に、苛立ちすら覚える。
縋る様に伸ばした手が、自然と胸にある移植の後をなぞった。
(だぁ! 分かったよ! やれるだけのことはやってやる! その代り条件だ。俺が無理だと判断したら、どんな状態だろうと引け。それが手伝う条件だ)
「可能性はゼロじゃないんだね!」
(ゼロじゃないってだけだ。それにお前にも相応の危険が伴う。中途半端にビビれば死ぬぞ。覚悟は出来てんだろうな?)
「この心臓を貰ったときから出来てるよ!」
(なら行くぞ)
「うん!」
僕は駆けだし、少女と熊が消えた森の中へと入っていく。
あの子たちを追いかける間にも、レイギスが助けるための作戦を説明していく。と言っても、地形も分からず、道具もない状態。ほとんど行き当たりばったりだ。
そんな中でもできることを見つけ出し、レイギスは逐一僕へと指示を出していく。
(まずは風向きだ。風上は避けろ。熊に気付かれる可能性がある)
「今は東からかな?」
(なら西に回り込め。ついでに、そこの段差になってるところは上を進めよ)
言われた通りに、一メートルほどの崖になっている段差の上を走る。崖の側は木が生えておらず、障害物がない分走りやすい。
そしてしばらくすれば、熊の残した痕跡らしきものを崖の下に見つけた。
(まだ逃げてるのか。凄いな)
「可能性が上がったね」
血の後も見られず、衣類が破られた形跡もない。まだ逃げられている証拠だ。
そして少し走ればすぐに熊の追いかけている痕跡がはっきりと分かった。
あからさまに折れた枝。強引にかき分けられた茂みを見つけ、熊が近いことを察する。
そしてさらに進んだところで熊の巨大な尻が目に飛び込んできた。
追いかけていない。そして熊の視線は木の根元へと向けられている。
(間に合わなかったか)
「まだ可能性はある!」
諦めきれない一心で、とっさに足元に落ちていた小石を拾い、熊に向けて投げつけた。
尻に当たった小石は、硬い毛皮に弾かれてそこらへんへと落ちるが、しっかりと僕の存在を熊に伝えることはできたようだ。
熊は、驚いたように後ろを振り返り、徐々に高さを増して二メートルほどになっている小さな崖の上に立つ僕と視線を合わせる。
同時に、女の子が木を背に蹲っているのを見た。
「まだ生きてる!」
(ならもっと注意をこっちにひきつけろ! 二兎を追うもの作戦だ)
「うん!」
僕はさらに熊へと近づきながら、再度石を投げつける。
明確な敵意に反応した熊が、女の子から離れ崖へと近寄ってきた。その際に熊の影に隠れていた女の子の全身が露わになる。
蹲っていた女の子の左腕には殴られたような汚れがあり、だらんと力なく垂れている。骨が折れているのかもしれない。恐怖に声も出ないのか、ただ下を向いて熊に慈悲を願っているかのような様子だ。
「こっちだ! この熊野郎!」
(悪口下手だなぁ)
「人の悪口言わない主義なの!」
レイギスのツッコミに若干頬を赤くしつつ、さらに石を投げる。
熊は小石が鬱陶しかったのか、一度顔を振ると駆け出して崖へと飛びついた。そのまま後足で立ち上がると、二メートルはあったはずの崖から顔を出し、口が僕の足元まで伸びてくる。
「うわっ」
慌てて数歩下がり、噛みつきを回避した。そして十分に引き付けられたと判断して根本にうずくまっている女の子へと声をかける。
「君! 今のうちに逃げて!」
「え!?」
女の子はそこで初めて僕の存在に気付いたのか、驚いたように顔を上げ僕と崖を登ろうとする熊を見て目を見開いた。
「君が逃げないとこっちも動けないから!」
噛みつこうとする熊の口を蹴り、急かすように叫ぶ。
女の子は一つ頷くと、木を支えに立ち上がり腕の痛みに顔を顰めた。だが僕が待っていることもあり、すぐに足を動かして森の奥へと向かった。
「もうちょっと引き付けたほうがいいよね」
(あの様子じゃ走るのは難しそうだしな)
今追いかけられたら、すぐに追いつかれてしまう。
熊の注意を引き付けるためにも、砂を掴んで熊の顔に思いっきり投げつけた。
目や鼻に砂を浴びた熊が悶えて崖から離れる。目に入った砂が痛むのか、前足で必死に顔を擦る。そして目を開けたところで、自分が追い詰めていたはずの女の子がいないことに気付いてしまった。
(ヤバい! 気づかれたぞ! なんでもいいから投げて注意を引きつけろ)
「って言われても投げるものが」
すでに使えそうなものはあらかた投げてしまい、地面に残っているのは指先程度の小石ぐらいしか見つからない。
その間にも熊はのっそのっそと女の子を追いかけて崖から離れて行ってしまう。
(これはもう)
レイギスの声から諦めの感情が窺えた。もう撤退を宣言されてしまうのも時間の問題だ。だけど、せっかくここまで来たのだ。
こんな中途半端なところで諦めたくない。
僕は崖から離れて距離を取る。
(おい、それは止めろ!)
考えが流れ込んできたレイギスが慌てて止めるけどちょっと遅かったね。人は簡単には止まれないんだ!
助走をつけて崖から飛び出し、熊の背中目掛けて飛び降りる。
飛び降りは思ったよりも助走が強く、熊の背中を越えて頭の上へと落ちるようにぶつかった。
突然後頭部に衝撃を受けた熊に、着地に失敗して地面へと体を投げ出した僕。一頭と一人は揃って痛みに悶える。
そんな中でレイギスが頭の中で怒鳴っていた。
(何考えてんだ! 有利な位置取らないと、お前じゃこの熊から逃げきれねぇんだぞ!)
「しょうがないよ。体が勝手に動いてたんだ」
僕は痛みを我慢しながら立ち上がる。そして僕は仁王立ちになり怒りの表情でこちらを見下ろす熊の様子を視界に入れて、表情を引きつらせた。
「どうしよう」
(詰みだ、馬鹿野郎)
直後、激しい衝撃と共に、僕は熊によって殴り飛ばされ意識を失うのだった。