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42.マイステディ フサモフ

「ガルの故郷?」

「うむ、そこにいけばショーマももっと強くなるであろうよ。」


ガルの故郷は、ショーマが今いるガルディアから少し離れたところにある、森の奥地にあるらしい。

前に地図を見た時に、ぼんやりと位置関係を確認していたそうだ。


「それでしたら地図で正確な場所を確認しましょう」


と、エフユーがうにょっと変形し平らになった。

すると、なんということでしょう。

その表面に正確な地図が現れたではありませんか。


前回地図を見た時に、地図データをスキャニングしておいたらしい。


「すごいな、エフユー」

「まあまあです」


そう言いながら、エフユーはガッツポーズを作った。

ああっ!そのせいで地図上のサルディア王国が崩壊した!


まぁ、それは置いておいて、


「今いるところがここ、ガルディアで」

「我の故郷はそこから西に行った森の中である」


ガルディアから離れたところに確かに森があった。

森というか、樹海というべき規模だ。

その名も『拒絶の樹海』。


「これはどういう意味?」

「我の一族しか通れない結界が張ってあっての。普通の人間は気づいたら勝手に森の外に出てしまうのであるよ。」


しかも、森の中はえらい強い魔物がうじゃうじゃいる。

まるで人が入ることを森自体が拒んでいるかのように感じるらしい。

それで、『拒絶の樹海』。


「これ、俺が入っても大丈夫なの?」

「ふむ、何回か死ぬくらいであろうよ」


それは大丈夫とは言わないのでは。


「なぁに、我に任せておけ!」


ガル先生、あなたの能天気さはいつも怖いです。


しかし、ショーマの必要とする"強さ"を考えると、それくらいのリスクは必要なのかもしれない。

それに、他に当てがある訳でもない。


「行ってみるか、拒絶の樹海」


次の目的地が、決まった。




「さて、樹海に行くにあたって必要なものがあーる!」

「"足"ですね」


そう、その通り。


拒絶の樹海はガルディアからそれなりに離れているので、人の足で歩いていくのは大変だ。

しかも、辺境なので荷馬車の往来も多くなく、同乗させてもらう人を探すのも難しい。

ということで、ショーマは移動手段を自分で確保する必要があった。


幸い、グランドイーターの1件で、ショーマの懐は暖かい。

馬の1頭くらいは買えるはずだ。

そう、フサモフな馬だ。


「ふふふ、ついにマイステディモフ動物を手に入れる時が来たようだな…」

「おお、また変なスイッチが入っているぞ、ショーマよ」

「大体こういう時はダメですよね」



というわけで、ガルディアの中で移動用の動物を扱っている店に来た。

町の規模の割には、結構な数の動物がいるのではなかろうか。


「うちの店の品揃えは帝都にも負けませんぜ」


と、店長さんが言っていた。

確かに、帝都にあった店とそこまで遜色ないかも知れない。

勿論、ショーマは帝都でもこの手の店を確認しに行っていた。

見モフ目的で。


しかし、今回は見モフではない、買いモフだ。

ショーマの見る目にも気合が入る。


一口に移動用動物といっても、何種類かいる。


ショーマもよく知る馬。

サイ、というよりトリケラトプスみたいな四足歩行の動物。

あとはデイノニクスのような二足歩行の動物。


それぞれ直接触れて確認出来るということなので、そうさせてもらう。


まずは馬。

この世界でも、ふさっとした毛並みで素晴らしい。

この地方の馬は小柄なものが多いらしく、この店にいる馬も軒並み小柄だ。


それから、トリケラトプスっぽいの。

ショーマに触られながらもマイペースに草を食べ続けている。

皮膚は硬めの触感だ。


最後にデイノニクスっぽいの。

「この個体はちょっと気性が荒いので気をつけてください」と店長に注意を促された。

しかし、実際はどうだろう。

ショーマが近づくと、なんだか懐くように、ショーマの周りをベタベタとくっついてくる。

ショーマが戸惑っていると、店長もその様子を見て驚いていた。


「いやー、こいつが自分から人に寄っていくところを初めて見ましたよ。お客さん、こりゃ凄い。運命ですよ。」

「へー、そーですか」


まぁ、ショーマには関係ない。


さて、一通り見終わった。

さて、馬を買おう。


さっきのデイノニクスっぽいやつが、物凄く見つめてきているが気にしない。

馬を買おうと馬に近づくと、デイノニクスっぽいやつが物凄く悲しそうな鳴き声を出しているが、関係ない。


そう、ショーマはマイステディフサモフを、手に入れるのだ。








「ありがとうございやっしたー」


ショーマは買い物を終え、店を離れていく。


「ショーマよ、良かったのであるか?」

「……良くない。」


ショーマの横には、擦り寄ってくる二足歩行の動物がいた。

くそぅ、なんなんだ、こいつ。

あんなに懐かれたら、無下に出来ないじゃないか。

くそぅ、嬉しそうな顔しやがって。


自らモフ生活を手放してしまったショーマは、歩きながら天を仰ぐ。


「やっぱりダメでしたね」

「うるさい」


ショーマの手が虚しくエフユーに、うにょっとめり込むだけであった。

ご閲覧頂きありがとうございます。


情に訴えられると勝てないショーマ。

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