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01アオカビ



まずペニシリウム(Penicillium)について。


本菌は、アオカビとも呼ばれる菌類です。

青緑色の集落をつくるのが特徴です。

約150菌種に分類されています。

その中から数種類を紹介します。


ペニシリウム・ノタツム(Penicillium notatum)

ペニシリンという抗生物質を分泌することで知られています。

発見した順番でノタツム氏の名を冠しています。


ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium chrysogenum)。

ペニシリンという抗生物質を分泌することで知られています。

発見した順番でクリソゲナム氏の名を冠しています。


ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camemberti)。

カマンベールチーズの製造に使われるものです。

白色ですが、ペニシリウム属|(青カビ)の一種です。


ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roqueforti)。

ロックフォールチーズの製造に用いる青カビです。

この地方の洞窟にのみ存在する種で、ロックフォールチーズの代名詞です。


ペニシリウム・シトリナム。

「シトリニン」を産生するカビです。

シトリニンは腎臓に悪いカビ毒であることが知られています。


ペニシリウム・イタリカム(Penicillium italicum)。

「カンキツ青かび病」の原因です。

貯蔵中の果実に寄生することで起こります。

カビの二次代謝産物である「カビ毒(マイコトキシン)」を産生する菌種があって危険です。カビだけ取って捨てて残りを食べようなんてとんでもない。

捨てるようにして下さい。


以上が150種に及ぶアオカビの一例になります。

柑橘類に生えるアオカビからも、チーズに生えるアオカビからもペニシリンは採れないのです。アオカビからペニシリンが採れるから身体にいい訳でもありません。


フレミングが発見したペニシリン。

実はペニシリンF+ペニシリンG+ペニシリンX+ペニシリンKとかの混合物でした。この中から最も高品質のゴールデン・スタンダードペニシリンのGが現在使われているベンジルペニシリンです。


パスツールがアオカビからペニシリンを発見したのは本当に幸運だったのです。

もしシャーレの黄色ブドウ球菌に取り付いたアオカビがペニシリウム・クリソゲナムでなかったら、パスツールはシャーレの中身を捨ててしまっていたでしょう。

もちろんやがて微生物研究者が発見する事になるのでしょうが、大幅に発見は遅れたか、当時ストレプトマイシンが開発に着手されようとしていたのでそちらが主流になったかもしれません。


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