表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/54

研究所脱出編5

 ・・・奴はどこだ。資料室と書いてある部屋のドアを開け中に踏み入る。この階にいることはわかっている。ならば端からつぶしていく。

 本棚を破壊する・・・いない。机を破壊する・・・いない。棚を破壊する・・・いない。

 ・・・ああもう、めんどくさい!私はこの部屋の物全てを破壊する・・・いない!この部屋ではないのか。私は部屋を出ると脇の大きな部屋の探索をはじめた。



 ・・・いなくなった、か?そう思い顔を出すと部屋は散々だった。・・・先に見取り図見つけられてよかった。俺はドアの陰になる場所から出て、三階へと進む。

 ドアの陰・・・一見単純だが狭い部屋では見つからないことも多い。よく家で蒼夜(そうや)とかくれんぼをしたっけ・・・、と、今は思い出にふけっている場合じゃなかったな。

 階段にたどり着き、三階へ上る。奴の気配はまだ二階なのでしばらくは来ないだろう。

 ・・・これは。三階に上った瞬間、雑魚クローンの姿が目に入る。この階にはまだいるのか・・・。隠れながら進むことになりそうだな。曲がり角一つ一つに気を付けなければ・・・。

 どうにか、銀器(シルバー)の保管室前に到着する。しかし、部屋の前を一体が徘徊している。・・・それなら。

 俺はポケットから見取り図を取り出し、逆の方向に丸めて投げる。・・・音を聞いた雑魚一体がそれをみに行き、扉の前が空く。その隙に素早くドアを開け、中に忍び込む。

 ・・・たくさんあるな。マニュアルでもあればいいんだけど・・・。

 マニュアル、というか使い方を探すために部屋内を探索する。奥の本棚を探す・・・が見つからない。

「うーん・・・危険だから下手に使えないし・・・」

 どうにか使い方がわからないものか・・・。ん?これは・・・。

 俺の眼に止まったのは拳銃のカタチをした銀器だった。これならさすがに俺でも使える。拳銃の使い方はアメリカで親父に習ってるからな。弾薬もある。これなら打ち込めるはずだ。

 俺は拳銃型の銀器を腰に差し、奴を探しに向かう。部屋を出るとなぜか雑魚はいなくなっていた。

 その代りにさっきまではなかった血痕がいたるところにこびりついていた。食われた?吸収されたのか?いずれにせよ奴が雑魚を襲ったのは間違いないだろう。ということはこの階にいる可能性もある。慎重に進んで行かないと・・・。

 しかし探索してみると、この階にはもういなかった。下にいたから、いるとしたら上か。俺は上への階段を上り、四階に到達する。

 四階への階段を上りきった瞬間、何かの破壊音がフロアに鳴り響く。音の位置はおそらくすぐ近くだ。俺は拳銃を手に取り構えながら先へ進む。

 ・・・すぐに扉の外れた部屋が見つかる。中には荒らされた資料と奴の姿が。あわてて物陰に隠れ、奴が出てくるのを待つ。出てきたところを後ろから狙い撃つ計画だ。

 ・・・息を潜め、時を待つ。・・・心臓の鼓動が早くなる。ドクン、ドクンと鳴り響く。

 ・・・来た!今だ!俺は出てきた奴のがら空きの後頭部へ拳銃を向け、トリガーを引く。射出された銃弾は何にも阻まれることなく奴の後頭部に吸い込まれ、風穴を開け鮮血が飛び散る。

「GYAAAAAAAAAAAA!!!」

 奴は大きな悲鳴をあげ、こちらに振り向く。

 素早く構え直し、こちらを向いた奴の心臓に再び銃弾を撃ちこむ。奴は吹き飛び、冷たい床に横たわる。

 ・・・終わったのか?今度こそ。・・・奴の死体の確認をする。念のため心臓にもう一発打ち込んでおき、完全に死亡したことを確認して、立ち去ろうとする・・・ん?なんだ?

 俺は崩れ落ち、倒れて、そのまま意識が遠くなっていって・・・。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ