VS捜査官!編8
勢いよく横から走ってきて、俺の前にさっきの男性が仁王立ちする。彼の肉体に銃弾が突き刺さり、血を放出する。彼は俺の方を向いて何かを投げ。そのまま倒れた。
彼が投げたものを拾って見ると、それは金色に光り輝く鍵のようなものだった。慌ててポケットにしまって前を見ると、龍騎が彼の死体を打ち抜いているところだった。
瞬間、俺の脳内にある光景が広がる。
それは例の晩。エクレが俺の両親を殺害した光景。エクレの背中から伸びる翼に両親が突き刺され、部屋中に血が飛び散っている。
そのシーンが脳内に浮かんだあと、ある一つの感情が俺の思考を支配する。
憎しみ、圧倒的憎しみが俺の感情を埋め尽くし、ある一つの答えに達する。目の前にいる彼を殺した龍騎を・・・殺せと。
そう思った瞬間、反射的に体が動いていた。引き絞った右腕を隙だらけの彼に突き刺・・・さらなかった。ギリギリで両腕の血喰をクロスさせ、貫通を防がれてしまう。
「・・・速いじゃあねえか。最初から本気出せよォ!」
龍騎は大きく後退し、高速で弾幕をはる。とても普通の速さでは出来ないが、恐らく加速を使っているのだろう。常人の何倍もの速さで腕と血喰を動かし、銃弾を撃ち出していると思われる。
だが、その全てを弾き切り突破する。自分の体に向かっている弾丸を予測し・・・五つ!その五つを正確に打ち払う。
「何!?」
そのまま龍騎の腹に血喰を突き刺し、翼で追撃を加える。クリーンヒットした翼に吹っ飛ばされ校庭の端のフェンスに激突する龍騎。
大ダメージを負った・・・と思いきや倒れることなく平然とたつ龍騎。傷口は大きいものの、致命傷を与えるほどのダメージには至っていないようだ。
「は!いいな!目の前で死んだことで怒りでもしたかァ!」
「・・・す・・・す」
「あァ!よく聞こえねえぞ!」
「殺す殺す殺す殺す殺す」
ユルサナイ。ヒトノイノチヲモテアソブアイツハユルサナイ!
「いいね!殺してみろよ!俺だってやってやらァ!」
そういうと龍騎は高速で校庭を走り出す。走りながら血喰を構えて連射を始める。360°すべての方向から銃弾が飛んでくる。
・・・が、すべての銃弾が見える。俺にもよくわからないが、翼をすべての銃弾に当て、弾き飛ばす。
「まだまだまだまだァ!」
高速で動き回りながら連射を続ける龍騎。このまま防御しててもいつかは攻撃が通ってしまうと思い、翼の一つを攻撃に当てる・・・が追いつかない。そして、一つ空いた隙間に銃弾が滑り込み大きく崩れる。全方向から銃弾が俺の体に突き刺さり、思わず崩れ落ちる。
「遅いィ!追いつけると思ったかァ!」
くそ・・・。このままじゃ・・・。
「ついでだァ!俺の進化した追加効果でお前をぶっ殺す!デモンストレーションだァ!」
進化した・・・追加効果?
「さあ行くぞ!俺の時間だ!超加速!」
そうして全ての時間が停止を始めた。