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~欲罪~cross~精霊~

第4話目、実は結構苦労していたんだね、な話。

「不思議検索ダウジングマシン!」

じゃきーん! 高々と手作りしたダウジングマシンを掲げた。

私の趣味、というか日課に、不思議を探す。というのがある。

それを見つける為に作ったのが、この不思議検索装置ナンバー6、不思議検索ダウジングマシンなのですよ!

それについ先日、これで不思議を見つけたばかりで効果は実証済み。だからコレに従って行けば不思議に出会える筈だよね。

という訳で、今日の放課後もダウジング両手に不思議探しを始めます。

まずは360°回り、反応のあった方へと進む、曲がり角を右に、左に、また左に、左に……おぉ! 反応が強くなった。

この先には……あれ? あそこに誰か居るけど、しゃがんでなにしてるんだろう?



「しっかし、記憶を無くす方法ね……」

そんなの簡単に出来たら正体隠すのに苦労してないっての。

まぁ自分で言い出したからな、とりあえず、適当に書いてみよう。

俺はペンを取り出し、地面に色々と書き始める。ここは車通り無いし、人も滅多に通らないだろう。

へたに部屋で書いてると晶に見つかるから、後、別のクラスメイトや学校の人に見つかるのを避ける為にわざわざ隣駅の住宅街まで来たんだが、正解だったな。

さてと……記憶の消去、いや、記憶の操作でいいな。でもどう書けばいいんだよ記憶なんて。

基本的に静寂とか、空間とか、スイッチぐらいしか使わないし。

「はぁ、どうすっかな」

あ、いつの間にか道いっぱい書いてしまった。

まぁいっか、誰にも見られてないし……

「なにやってるんですか?」

「!?」

思わず飛び退いて、後ろを見た。

あの制服は、この辺りの高校のやつか、とりあえず同じ学校じゃなくて安心した。

しかし、こいつ何者だ? 手にダウジング……明らかに手作りなの持ってるし。

それに、何か人じゃないような雰囲気もかもち出してる。

見た目だけなら、学校に一人は居る? 生徒に違いないんだろうけど。

いやそれはもういいや、問題なのは、この状況を見られた事だな。

『なにやってるんですか?』って訊ねられて。『記憶を消す方法を考えてます』なんて応えてみろ、どんな顔されるか分かんないぞ?

まさか『不思議はっけーん!』なんて言って目をキラキラと輝かせる訳……それはそれでキツイが。

『へ、へぇー…』とか言われておかしな人見る目で見られるならまだいい。

問題は、『は? なにそれ?』とか言われてバカにされるのが一番ダメージだろう。

なんとか打開策を……



「え、えっと…」

この人いったい何してたんだろう? 隣駅の高校の制服だから高校生だろうけど、わざわざ隣の駅まで来て道いっぱいに絵を書くなんて。

「実はね…」

なんなんだろう、このへんてこな絵。丸の中に線やら点やら円やら色々書かれてる。

例えるなら、魔方陣、みたいかな?

てことは……もしかしてこの人、魔法使い!?

「絵を書く練習をしてたんだよ!」

「……へ?」

絵を書く……練習?

「練習、ですか?」

「そ、そうなんだ。ちょっとした部活の練習でね」

ほぇ~、変わった部活があるんだな。

「でも、なんでわざわざこんなところで?」

道ぐらいなら向こうにも普通にある筈なのに。

「そ、それは……ほら、部活の仲間に見つかりたくないからだよ、目の届かないところで練習して、皆を見返してやろうとね」

「ほぇ~」

美術部みたいなものなのかな?

「さ、さてと、そろそろ僕は帰るとするよ、それじゃあ」

男の人は立ち上がると、そそくさと去っていってしまった。

「……なんだったんだろ、今の人」

ダウジングが反応してたし、なんだか妙な気配も感じたし、もしかして本当に魔法使いだったのかな?

だとしたら……

「不思議はっけーん!」

私は目をきらきらさせながら、ダウジングをじゃきーん! と高々と上げたのだった。



「ふぅ……どうにかなったな」

まさかあんな嘘を信じてくれるとは思わなかったが、結果として正体がバレずに済んだんだ。ならそれで問題無しだ。



さてと、もう一つの問題も、今みたいに簡単に解決してくれないかね。


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