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ギャルバンで昭和特撮ヲタの私が、ひいおばあちゃんになった話  作者: ひらやまけんじ
第2曲目 私が来夢で、この子も来夢?作者よ!設定もうちょい整理しろや!
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第6話  未来からのお願い!お世話係は1年契約(強制)!?

 「やっと、俺達の事を認めてくれたね」


 華印は、自分の未来型スマホをポケットに入れると満面の笑みを浮かべて、私に言った。


 「しょうがないでしょ!これ以上、私だけしか知らない恥ずかしい秘密を喋られたら、困るからよ!でも、この子を私が預かるのは別問題よ!」 「ええ、どうしてさー?」


 華印は、情けない声を出す。


 「色々と、納得出来ない部分があり過ぎるからよ!どうして過去の私が、あんたの娘を預からなきゃいけないの?未来の世界にいるこの子の母親や、爺さん、婆さん、つまり私の息子か娘とかは、面倒見てくれないわけ?」


 「お婆ちゃんの疑問はもっともだね。俺達さ、2人きりの家族なんだ」


  今まで、飄々としていた華印の表情が、急に曇り出した。……私、聞いちゃいけない事を言っちゃたかな?


 「来夢ちゃんの母親、つまり俺の妻は、この子が3歳の時に、病気で死んじゃってね。祖父母は母方も含めて、この子が産まれる前に全員亡くなったんだよ。だから、頼れる身内は誰もいないんだ」


 華印の話を聞き終えた私は、ちび来夢の方を見てみたが、別に変わった様子は無い。意外とメンタル強いのかしら?


 「でも、それなら亡くなる前のこの子のお母さんに預け……ムグゥ!?」


 華印が、私の口を手で押さえて、耳元で囁く。


  「俺も、最初は同じ事を考えたさ。確かに来夢ちゃんは喜ぶだろうけど、別れる時の気持を考えてみ?物凄く悲しむと思わない?」


 それは、華印の言う通りかもしれない。子供にとっては、母親って大好きな存在だし、ましてや一度死に別れたのに、再び会えた時の喜びは、計り知れないだろう。 でも、それは一時期なもので、やがて別れの時が来る……。


 大好きな母親が2度も自分の目の前からいなくなる経験をさせるのは、子供にとっては凄く残酷な事かもしれない。


 子供を育てた事が無い私でも、それくらいの事は理解出来る。


 「だからと言って、何で私なのよ?過去の華印の両親じゃダメなの?」


 「お?初めて俺の名前を呼んでくれたね。嬉しいよ。俺の親父、つまりお婆ちゃんの息子は、とても厳格な人でね。『自分の事は自分でやれ!甘ったれるな!』って台詞が口癖だったよ。頭も固いから、未来から来た話なんて信じてもらえないだろうし、仮に信じてくれたとしても『自分の子供なら、自分で面倒見ろ!』って、怒鳴るに決まってるよ。お袋は、事なかれ主義な上に、世間体を気にする人で、基本的に親父の言う事には逆らわないし、面倒事は避けるから、やはり力になってくれそうにないと思ったからさ」


  華印のお父さん、つまり未来の私の息子って、そんな人間になるの?自分の子供が、そんな性格になってしまうなんて、ちょっとショックだな。


 「私が、同じ反応するとは思わなかったの?」


 「ああ、思わなかったね。だって、お婆ちゃんって、いつも子供みたいに目をキラキラさせながら、昭和特撮ヒーロー番組の話を聞かせてくれたのも面白かったし、そういう趣味がある分、宇宙人や、タイムスリップについても理解があると思ったからさ。現に、信じてくれたじゃない」


 「そ、それはまあ……。でも、私って、お婆ちゃんになっても昭和特撮好きだったのね」


 私は、歳を取っても、変わらず好きでいられる物がある事を誇らしく思った。


 「それに、お婆ちゃんって、両親と比べて人間味があって暖かい人だったよ。俺が小学5年生の頃、数人の同級生に虐められた事があってね。親父に相談したら『いじめくらい自分で解決しろ!』って言ったし、お袋は相手の親と揉めるのが嫌だったらしく『先生に相談してみたら?』と、2人とも冷たかったよ。でも、お婆ちゃんだけは違った『私の大事な孫を虐めるなんて許せん!』って凄い怒ってさ、それで……」


  「学校に文句を言ったの?」 私は、華印の話の途中で、未来の自分の行動について質問した。


 「いや、違うよ。学校に乗り込んで、いじめっ子達と、取っ組み合いの大喧嘩始めたんだよ。『ライダーキック!』って叫びながら飛び蹴りかましたり、『スペシウム光線!』って言いながら、いじめっ子をビンタしたりしてさ。でも、相手も複数な上に、5年生で体格も大きいから、結局返り討ちにされて、全治1週間の怪我で入院したんだよ」


 「それ、未来の私も、いじめっ子達も、両方ともやり過ぎじゃないか?それと『スペシウム光線』は、ビンタ攻撃じゃないだろう」


 私は、お婆ちゃんになっても今日のライブハウスと同じような事をしてるのか?と思いつつ、華印の話にツッコミを入れる。


 「まあね。でも結果的に、いじめの事が公になったので、いじめっ子達の親も被害届も出さなかったし、俺へのいじめも無くなったよ。親父とお袋は、俺とお婆ちゃんを凄く怒ったけど、お婆ちゃんは『悪いのは全部私だ!華印を怒るんじゃないよ!そんなに怒るなら、2人とも何で華印が相談した時に力になってやれなかったんだ!?』って、俺を庇ってくれたんだ。あの時は嬉しかったし、お婆ちゃんって、本当に優しくて立派な人なんだなぁと思ったよ」


 「えへへ。いやー、そんな風に言われると照れるなぁ〜。もっと、言ってくれちゃっても良いのよー?グフフ!」


 「トト様の言ったように、ひいおばあ様って、意外とチョロいのー」


 「来夢ちゃん!シーッ!」


 「ん?今、何か言った?」


 「「何でもないよ!」」


  何か悪口を言われたような気がしたけど、華印とちび来夢が、両手と頭をブンブン振って、全否定のリアクションをしたので、私は気にしない事にした。


 「んで、華印が、私に娘を預けなきゃいけない理由って何よ?」


 「それはね、どうしても男として果たさなきゃいけない大事な用事があってね。何も聞かずに俺を行かせて欲しい!」


 華印は、急にシリアスな顔をして言った。よく分かんないけど、よほど大事な使命があるってことなのかな?ヒーローみたいで、ちょっとかっこいいかも!?


 「もう!分かったわよ!それじゃあ、この子を預かってあげるわ。それで、どのくらい預かりゃいいの?数時間?それとも1日?」


 「いやー、それが言いづらいんだけど、1年間。つまり、2026年の今日まで」


 華印は、バツが悪そうな顔をしながら、答える。


 「い、1年間も!?何で?どうして?」


 予想外の回答に私は叫んでしまう。1年間も、ちび来夢と暮らさなきゃいけないの?


 「俺の用事は、終えるのに1年間くらいかかるし、子供の来夢ちゃんを連れて行けない過酷なものだからね」


  「そ、そうなの?あ!よく考えたら、タイムマシーンだかタイムカプセルだか知らないけど、用事が終わったら、それ使って明日とか、今から数時間後とかに、タイムスリップして迎えに来ればいいじゃない?そうすりゃ、私が1年間も預からなくても大丈夫でしょ?」


  私は、当然の疑問を華印にぶつける。


 「お婆ちゃん、結構鋭いね。でも、それは無理。もう、2110年から2025年に、タイムスリップする事は不可能なんだよ」


  「どうして?」


 「2025年と2110年との時空間が、強化再生されてるからね。2025年と2110年とのタイムスリップは、ベガ星人の科学力をもってしても1往復が限界なんだ」


 「え?あんた何言ってるの?さっぱり意味不明なんだけど??」


 「トト様。もっと分かりやすく説明してやったら、どうじゃ?」


 「そうだな。例え話になるけど、今から1分前の過去に行きたいとする。現在と1 分前の時空間には、60枚のブロック塀みたいな物が存在してるんだよ。俺達のタイムカプセルは、このブロック塀を1枚ずつ壊して1分前の過去に移動する事が出来るんだ。でも、このブロック塀は、瞬時に以前よりも強固になって再生してしまう。現在に戻って来るには、その再生した塀を壊すしかない。けれど、それを全部壊して現在に戻って来る頃には、タイムカプセルの耐久性は限界を超えて使用不能になってるんだ。そして、強固なブロック塀に覆われてる時空間の範囲は、大体1年間分くらいになるんだ。ちなみに2度再生して強度が増したブロック塀は、新品のタイムカプセルでも破る事は不可能。だから、時空間のブロック塀が柔らかい範囲である2111年から2026年のタイムスリップが最短になるってわけ。イメージとしては、こんな感じかな?」


 「????。えっと?えっと?ブロックがたくさんあって、それが落ちてきて壊すんだっけ?……それってテトリスじゃん!そういえば、最近テトリスのBGMが歌になったわよね?あれは、いい曲だなぁ!あれ?私は何の話をしてるんだっけ?」


 「えーと、お婆ちゃん、分かってくれたかな?」


 「あのー。テトリスとタイムスリップの関係性について、もう一度説明してください!」


 「そんな話は、全くしてないよ!」


  「だって、しょうがないじゃない!華印の話難しいんだもん!」


 華印は、多分噛み砕いて説明してくれてんだろうけど、それでも私にはイマイチ理解出来ない。


 「分かった!お婆ちゃんにも理解しやすいように話を変えるよ!2025年と2110年の時間のトンネルの中には怪獣がいて、そいつを倒さなきゃ2025年に来れないんだ。それで、もう一度2025年に来ようと思ったら、その怪獣が復活してるんだよ!そいつは物凄く強くて勝てないから、同じトンネルを通れないんだよ!」


 「トト様。そっちの方が、分かりにくいんじゃないか?」


 「なるほど!そういうことか!つまり、別の弱い怪獣がいるトンネルを通らなきゃタイムスリップ出来ないって事か!なーんだ!最初から、そう言いなさいよ!」


 私は、やっと華印の言ってる事が分かったので、思わず手をポンと叩く。


 「分かっちゃったみたいだよ、来夢ちゃん?」


 華印は腕を組み、ちょっと得意げな顔。


 「ひいおばあ様って、頭良いのか悪いのか分からんのう」


 ちび来夢は首をかしげ、無邪気に笑う。その笑顔が余計にイラッとする。


 「こら!失礼なこと言うなよ!」


 私はビシッと指を突きつけて立ち上がる。


 「そういうのは、せめて本人のいない所で言いなさい!……それにしても、ずいぶんSFっぽい話になったわね」


 と、ドヤ顔をしてみせるが、額にはうっすら汗。


 「まあ、この作品のジャンルは、一応SFコメディーだから。少しはSF要素も入れないとね♡」


 華印は妙に爽やかに笑いながら、カメラ目線でメタ発言。


 「メタいのぅ、トト様」


 ちび来夢は両手を腰に当てて、まるで漫才のツッコミ役。


 その瞬間――。


 〝ブー!ブー!〟


 耳をつんざくような警報音が鳴り響いた!


 「ぎゃー!何これ!?火災報知器!?それとも電子レンジでチキンラーメンが爆発した!?」


 私は頭を抱え、右往左往。


 「落ち着け!これはシステム警告音だ!」


 華印は真剣な顔で、ミニタブレットを操作している……けど、冷や汗ダラダラ。



 「ひいおばあ様、踊っとる場合じゃないぞ!非常事態じゃ!」


 ちび来夢はなぜか警報に合わせてリズムを刻み、両手でクラップしている。


  赤い警告ランプが点滅し、ヒーロー人形たちの影が不気味に揺れる――。


  「今度は一体何が起きるのよおおお!?」


 私は悲鳴を上げながら、ヒーロー人形にしがみついた。

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