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ギャルバンで昭和特撮ヲタの私が、ひいおばあちゃんになった話  作者: ひらやまけんじ
第1曲目 出会いは時空を超えて勝手にやってきた(第1部 序章)
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第2話 ライブハウスは特撮的戦場!?火花散るライダーキック!!

 昭和特撮ソングの熱さを知った私は人生初の重大決断をした。


  「ギターを買おう!!」


 使い道もなく貯めていた数年分のお年玉を、親に内緒で突っ込み、楽器屋で運命の一本を購入。


  動画サイトを見まくって、独学で必死にコードを覚えた。


 それから約1年半—— 拙いながらも演奏できるようになって、ついにSNSでバンドメンバーを募集することにした。


 ……が! 「女子限定・特撮オンリー・熱血上等バンド希望」 ——自分で言うのも何だけど、そんな条件で誰が来るんだよッ!!


 案の定、全ッ然応募が来ない。アホほど来ない。砂漠に湧き水を期待するレベルで来ない!


 「え、もしかして……非公開設定になってる?バグ?」


  毎日、何度も確認する私。


 何かの呪いかと疑った。


 だがある日、高校卒業後のニート生活を満喫していた私の元に、DMが来たのだ!


 それも立て続けに!


 「諦めないってなんだ?素晴らしいことさ!女の子なんだろ?ぐずぐずしないで返信しちゃいなYO!」


 私は喜びのあまり、スマホ片手に、『宇宙刑事ギャバン』の主題歌みたいな台詞をシャウトしていた。


  そのDMを送ってきたのが——今、目の前にいるこの2人。


 まずは、我らがベーシスト・七海菜々子(21歳)。 ゆる巻きツインテ、伊達メガネに童顔、ピンクの特攻服風パーカー。


 まるで「昭和なロリ番長」みたいな見た目だが、中身は超絶真面目。


  実際、中学生と間違われて、何度も補導されかけたのは、ここだけの秘密よ!


 バイト先のトイレットペーパーの向きを気にするレベルで細かい。


 中学時代はイジメを受けていたらしいが、兄貴が見ていた特撮ヒーローに救われたとか。


 私のSNSを偶然見つけ、「この人となら……」と連絡してくれた。


 ちなみに、天然成分多めで、たまに私と皇のツッコミの餌食になる。


 続いて、ドラムの昴 皇(25歳)。 男勝りで長身、黒髪ロングに白シャツ赤ネクタイ。


「え?バンドマンというより特攻隊?」みたいなビジュアル。


 性格はサバサバ系。


 つーか、雑。


 私の酒もポテチも、当然のように飲み食いする。


 「自己破産、考えてるんだよね〜♪」


 酔った勢いで言ったこのセリフ、冗談か本気か分からない。


 音楽の趣味は、割と雑食系。 昭和ヒーローだけじゃなく、平成・令和の特ソンも、アニソンも全部無問題(モーマンタイ)


 そのせいで私と音楽性の違いで衝突しまくりだが、なんだかんだで付き合ってくれている。


 クセは強いけど、この2人がいてくれてよかったよ。


 いや、マジで!


 照れくさいから口には出さないけどな!


 だが、そんな感慨にふける間もなく—— 「キャーホホホ!我々とあなた方じゃ、レベルが違いますのですのよ〜!」


 ——どこからともなく聞こえてきた嫌な声。 頭の中に即座に再生される、あの鼻につく笑い声と高飛車なセリフ。


 そう、奴ら。


 『ダイヤモンドブレイカーズ』!


 ボーカルのオーヴァー・ジュリエッタ。 私の中学時代の同級生で、しかも同じタイミングでバンド結成し、同じイベントでデビューした因縁の相手。


 アイツらは、最近のアニソンのコピー曲を中心に演奏するスタイル。


 ある日投稿したライブ動画が、偶然にも大物配信者の目に留まり、拡散されて爆バズ!


以降、ファンは急増。 ウチらより、ちょっとだけ(ほんのちょっっっっっとだけ)有名になった。


 けど、調子に乗るのもそこまでにしとけよ? 本当になんで!?


 スタートは同じだったのに、何でアイツらだけチヤホヤされんの!?


 「スーパーヒーロー&ヒロインラヴァーズも、チヤホヤされてぇーっ!ライブで歓声と黄色い声を浴びたいぃぃぃっ!」


 私は、酒で膨れた胃袋をかかえながら、恥ずかしげもなく承認欲求を叫んだ。


 その声が、楽屋中に響き渡る。


  他の出演バンドたちが、キッとウチらを睨みつける。


 「来夢ちゃん!声!声っ!また怒られるよ!?皆さんすみません!ごめんなさい!ごめんなさい!」


 菜々子が、楽屋のバンド達に頭を下げる。


 「もう遅いって〜。来夢、酒乱モード突入しちゃったよ〜。アハハー☆」


 「お前にだけは言われたくない!てか、今月金欠なんだよー!たまには酒代払えーっ!!」


 「は?あるわけないじゃん金!つか、来夢の金欠って“今月”じゃなくて“毎月”でしょ?ギャハハ!」


  「来夢ちゃんも皇ちゃんも、やめてよぉぉぉ!」


 「許すまじ!貴様に飲まれた酒の恨み、今こそ晴らす!くらえ!正義のライダーキック!!とぅりゃあああああ!」


 私は、怒りのあまり仮面ライダー1号ばりに跳び蹴りを繰り出す!


 「へっ!そんなヘナチョコキックでアタシを倒せるとでも!?クリムゾンスマーーーッシュ!!」


 皇も対抗して、仮面ライダーファイズの技名を叫びながらジャンプ!


 ——次の瞬間、ウチらの蹴り足が空中でクロス!


 まるで『北〇の拳』のケン〇ロウとシ〇の如き、魂のシンクロ!


 「「うおおおおおおお!!!」」


 楽屋に響き渡る、謎の戦闘BGM(私の脳内再生♡)。

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