表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ギャルバンで昭和特撮ヲタの私が、ひいおばあちゃんになった話  作者: ひらやまけんじ
第3曲目 ミラちゃん はじめての2025ねん! 〜死闘!?来夢VSオーヴァー〜
11/23

第11話 マヨ氷の朝から始まる未来食卓物語

 「それにしても、とんでもない夢だったわ。オーヴァーの奴め!夢の中でも調子に乗りやがって!」


 二度寝から目覚めた私は布団の中で毒づきながら、隣に寝ている未来の曾孫――ミラの寝顔をチラッと覗く。


 小さな寝息を立てていて、まるで天使……いや、昨日まで部屋にいなかった存在だからこそ、不思議な違和感が胸をよぎる。


 「昨日までは、私だけの空間だったのになぁ……」


 そう思うと、同じ部屋なのに、まるで別世界に迷い込んだような気分になってしまった。 異世界転生モノの主人公も、多分こんな感覚なのかな?いや、私の場合は異世界転生じゃなくて「ひいおばあちゃんモノ」だけど!


 「う、うーん!ふわーわぁ!おはようなのじゃー!ひいおばあ様!」


 ミラは布団からガバッと飛び起き、元気よく伸びをする。


 「ご、ごめん。起こしちゃった?」と私は申し訳なさそうに言う。


 「ううん!よく寝れたのじゃ!」


 と、ミラはにっこり笑顔。


 時計を見るとまだ朝の8時半。


 ――と、そこで。


 〝グゥ~~~〟 私のお腹が、部屋中に響き渡るほどの重低音を響かせた。


 「アハハ!ひいおばあ様、お腹空いたのか?来夢も空いたのじゃ!」


 ケラケラ笑いながらお腹をさするミラ。


 「こ~ら♪この時代にいる間は、来夢じゃなくてミラでしょ?」


 「そうだったのじゃ!」


 ミラは、ぺちんと自分の頭を小突いて照れ笑い。舌をペロッと出す姿は妙にあざとい。


 私は苦笑しながら冷蔵庫を開け――固まった。


 「ゲッ!氷とマヨネーズと醤油しかない」


 振り返り、震える声で提案する。


 「あ、あのーミラちゃん?氷でも食べる?お醤油かけると美味しいよー!マヨネーズもあるよ!うん!」


 「ひいおばあ様!それは食事じゃなくて、ただの拷問なのだ!児童相談所に通報するのじゃ!」


 両手を腰に当ててプンスカ怒るミラ。


 「ひ、ひぃーん!だって私は貧乏フリーターなんだもん!許してよぉ!」


 私は正座して土下座寸前。


 そんな私を見て、ミラはフッと笑い、玄関へスタスタ歩く。


 キャリーケースをゴロゴロ引き寄せると、胸を張って宣言した。


「仕方ないのう!それじゃミラが持ってきたご飯を食べるのじゃ!」


 「あっ!そうだ!」


 私は思い出した。


 華印が未来へ帰る前に言っていた「1年分以上の食料を持たせた」というセリフを。


 「ね、ねえ?その中に本当に食べ物が入ってるの?」


 「もちろんじゃ!」


 「わ、私にも分けてくれる?」


 「OKなのじゃー!」


 ガバッとケースを開けたミラ。


 私は食い物にありつけると期待して、身を乗り出した――


 「って、何よこれー!?」


 そこにあったのは、豆粒サイズの食品サンプルと、リカちゃん人形用みたいな服と下着の山!


 「どやぁ!美味しそうじゃろ?」と胸を張るミラ。


 「どこがだー!ただのオモチャじゃん!期待して損したわー!」


 私は半泣きで、氷にマヨネーズをかけて齧り始める。


 くうぅぅ~!我ながら惨めすぎる。


 そんな私をよそに、ミラは豆粒サンプルをひょいとつまみ、スキップしながら電子レンジへ。


 「決めた!ミラはお子様ランチにするのじゃ!電子レンジを貸してなのだ!」


 「え?おままごとでもすんの?はい、はい、どうぞ」


 私は、呆れてレンジを指差す。


 「えーと、500ワットで10秒チンなのじゃ!」


 〝チーン!〟


 レンジの扉を開けた瞬間――部屋中に広がる芳醇な香り! フワリと立ち上る湯気、濃厚なデミグラスソースの香り、揚げ物の食欲をそそる匂い……。


 「う、うそ!?鼻と目がおかしくなったのかしら?」


 私はゴクリと唾を飲み込む。


 「わーい!おいしそうなのじゃ!」


 ミラが両手で抱え出したのは――旗付きオムライス、ハンバーグ、エビフライ、フライドポテトがワンプレートに並ぶ、豪華なお子様ランチ!


 「げ、げ、げぇぇ!? ど、どういう仕組み!?どこから出したの??」


 私は腰を抜かして叫んだ。 ミラは、ドヤ顔でキャリーケースの中を指差す。


 「ほら!あの中に、まだまだいっぱいあるじゃろ?」


 豆粒サンプルの山。


 ――まさか全部、レンジでチンしたら本物の食べ物になるっての!?


 私は震える手で氷とマヨネーズを床に置いた。


 「未来の食糧問題、完全解決じゃない!?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ