正の歯車
サプリメント会社のセールスマン。
後にアメリカ国内の一流企業コンサルタントとして活動した起業家ジム・ローン氏の言葉が日本でも普及している。
「あなたは最も多くの時間を共に過ごす5人の平均になる」
色んな偉人が色んな名言を残す中、ボクも思わずそうだなと頷いた言葉の一つだ。
当てはめてみると、彼は30代後半から仲良くなった親友である。
「疲れた」「面倒」「それなんかオレは違うんだよねー」
これら負の感情を並べる利己的な人はもちろん、相手に対し気遣いや感謝、道徳がない人間は離れて行った。
そんな中、ボクもこの目先の妖術の虜になった一人だ。
礼節がわかっている。
「こういう意図で話した」
「ここであえて悪者になって場の結託をさせよう」
「誰も声を挙げないので、楽しんでいる様子を見せよう」
動物的な感情ではなく、行間が読める人間というのは同じ時を過ごすに辺り非常に心地よい。
疲れないんだ。
こちらが気遣い面白い話をする→それに察したリアクションを促す→その気遣いを理解し、よりよい気遣いをする→相手もそれを察し……と。
『正』の歯車が回る。
面白い話をして相手を喜ばせる。
気持ちよく話せるように真剣に相槌を打つ。
みんなが笑えるよう場を設ける。
金を出して、皆に喜んでもらう。
なんでもいいんだ。
全てでもいいし、特化でもいい。
『相手のため』というのフレーズを偽善的に聞こえるのは中学生まで。
相手のためはチームのため。組織のため。顧客のため。人のため。
それこそが、最大の自己の利益を生む。
キレイごとじゃなく、算数だ。
この構造をよくわかっており、全ての要素で高い水準を持つ。
無機質な妖怪には熱量という最重要の感情が灯っていない事が個人的には満点は出せない。
だが、案外この話の肝はそこかもしれない。
満点を出せない。
しかしこの礼節を持つ限り、ボクも結局は彼の目論見通り51の評価をしてしまっている以上、妖怪の掌で踊っているだけなのかもしれない。




