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3.『現実』の『セカイ』

携帯電話のアラームで世加依は目を醒ました。


もう朝か。


世加依はおぼつかない手でメガネを掛けると、鏡の前に立ってみる。


鏡に映る自分の姿は『冴えない少女』そのものだった。


天然パーマ、メガネ、低身長。


自他共に認める、まさに『オタク女子』の典型である。


鏡の前に立ち、胸の大きさを確かめてみる。やはり小さい…。


髪をクシャっとする。ボサボサだ。


メガネを外してみる。ボヤけている。近眼だ。


背伸びしてみる。チビだ。


世加依はそうして自己肯定感を下げつつ、部屋を出た。


リビングに降りると妹の『茜』、弟の『大地』が朝食を取っていた。


茜が少し赤らんだ人の良さそうな笑みを浮かべて世加依に挨拶する。


アカネ「おはよう」


セカイ「おはよう」


長女次女が軽い挨拶を交わす。


一方、一番下の大地は一言も発さず、ただ黙々と朝食をとっている。サッカーに明け暮れているせいか、その肌は真っ黒に日焼けしている。


しかし『ヲタクの長女』、『家庭的な妹』、『サッカー少年の弟』といった相容れない三人の間にはそれ以上の会話はなく、茜が用意してくれた朝食を取った世加依は、陰気な雰囲気を醸し出しながら、家を出た。


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