新たなる戦士の誕生
公園は崩壊寸前だった。
サイレンが鳴り響き、銃声が混ざり、人々が逃げ惑う。
シェイドが操るヒロトは、もはや人の姿ではなく、機械獣となって暴れ回っていた。
SWAT部隊は混乱の中、敵味方の区別もつかず無差別に発砲し、
ユイ(ブレイズフィスト)、リカ(ストリームプリンセス)、
**ミハル(アンバーハート)**たちは傷だらけで包囲されていた。
――その頃、ラディアント・カフェの奥。
転送で避難したレイカは、壁を殴りつけながら叫んだ。
「……信じられない!
あの子たちは、あんな地獄の中にいるのに……
私だけ、ここで……何もできない……!」
リリィが厳しい表情で言った。
「あなたには、まだ“力”がない。
行けば、死ぬわ。」
だが、レイカは目に涙を浮かべながら顔を上げた。
「だったらどうした!
力がなくたって、私は……!
あの子たちは“私の仲間”なんだよ!
ミツキも、ミハルも、みんな……
もう誰も、失いたくないんだ!」
その瞬間――
レイカの手首に、黒と紫の光が走った。
浮かび上がったのは、黒い魔法の時計。
紫の光をまとい、まるで運命の時を告げるように、
金属の歯車が音を立てて回転していた。
リリィの目が見開かれる。
「……それは……!
あなたの“戦士の紋章”!」
レイカは震える拳を見つめ、唇を噛んで――
その手を時計の上に重ねた。
「なら……これが私の“時”だ!」
時計がまばゆく輝き、激しい魔法の波動が空間を震わせた。
—
「マジカル・エンゲージ!」
その叫びとともに、レイカの体は
紫の時計の光に包まれた。
回転する時計の結晶が彼女を取り囲み、
髪は深いヴァイオレットに変わり、腰まで伸びる。
頭には時計の針を模した王冠。
衣装は漆黒と濃紫を基調にした戦闘ドレス、
胸元や裾には回転する歯車の模様が輝き、
背には振り子のような短いマントが揺れていた。
紫に光る目を開き、
レイカは静かに、そして力強く宣言した。
「……失われた時間は戻らない。
でも、“未来”は、まだこの手で変えられる!」
そして天に腕を掲げ、名を告げる。
「ラディアント・マジカル・ウォリアー:クロノ・エンプレス!」
—
リリィが微笑む。
「ようやく目覚めたわね……
これで、あなたも“真の守護者”。」
クロノ・エンプレスとなったレイカは拳を握る。
「待ってて、みんな……!
今すぐ、そっちに行くから!」
時計が「カチッ」と時を刻み、
次の瞬間、紫の閃光とともに
彼女の姿は公園へと転移した。
――混沌の渦へ、
新たなる時の戦士が、ついに降り立った。
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戦争の中でも、笑顔こそ最強の武器。