影と避難
浄化の光がブラックアビスのクリスタルを打ち砕いたとき、レイカは意識を失い、ブレイズ・フィストとストリーム・プリンセスの腕の中で震えながら崩れ落ちた。
群衆が叫び、警察は発砲し、レポーターたちは混乱の中を実況していた。
— このままじゃ危険すぎる!
アンバー・ハートが叫び、レイカの体を支える。
その瞬間、リリーが輝きをまとって現れ、バトンを掲げた。
— 幻影の転移よ…今、逃げて!
まばゆい光が戦士たちとレイカを包む。
群衆の目には、煙と瓦礫の中に彼女たちが“消えた”ように見えた。
警察は混乱し、マスコミは騒ぎ立てるが、彼女たちはすでにその場にいなかった。
ラディアント・カフェにて
一行はカフェの裏の部屋に再出現した。
レイカは即席のソファに横たわり、額には汗がにじんでいる。
彼女の金属バットは床に転がり、力なく沈黙していた。
ユイは荒い呼吸のまま呟く。
— くそっ…もう少しで手遅れだった。
リカもまだアドレナリンが抜けず、床に座り込む。
— そして今や、日本中が私たちを「危険な存在」だと見てる。
あの目…忘れられない。
ミハルは、レイカの額にそっと手を当てる。
— でも今、彼女は生きている。
もし外で倒されていたら、アビスから解放されることなんてなかった。
リリーは立ったまま、全員を見渡して厳しい声で言った。
— 救い出したのは、あくまで最初の一歩。
これからは…私たちの一挙手一投足が監視される。
この世界は、私たちを「正義」とも「脅威」とも見るだろう。
一方、その頃…
近くのレストランのテレビでは、破壊された金融街の映像が流れていた。
—「謎の少女たちがバットの不良と戦ったとの報道がありますが、目撃者の中には“協力していた”という声も。警察は彼女たちが保護者なのか、あるいは脅威なのか、調査を続けています。」
警察署にて
警察署では、タケダ刑事がテレビを乱暴に消した。
— もはやただの事件じゃない。
この真実を突き止めなければ…この国全体がパニックになるぞ。
エピローグ
ラディアント・カフェに戻ると、レイカがうなされながら身じろぎをする。
彼女の唇から、かすかな声が漏れた。
— …ミツキ…リリー…
仲間たちは驚いて顔を見合わせた。
たとえ意識がなくても、記憶と感情の一部はまだ彼女の中にあり、
闇に屈することなく、必死に抗い続けていた。
ユイは拳を握りしめて言う。
— だったら、私たちが守る。
たとえ世界中から嫌われようとも…彼女を守り抜く。
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