表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/78

鎖につながれた心

ガラスの高層ビルの最上階――

レイカは闇の嵐のように突入した。ブラックアビスのオーラがオフィスを覆い、ガラスを砕き、家具を次々と破壊していく。


彼女の前に立つのは、シャドウの上司とその護衛たち。男は恐怖に震えながら一歩後退した。


— な、なんなんだお前は…?


レイカは大鎌を持ち上げ、最後の一撃を放とうとする。

しかし、その目が男を捉えた瞬間――


記憶の閃光が彼女の中を貫いた。


泣き叫ぶ母の声。

「行かないで!」と叫ぶ姉の声。

冷たく威圧的な男の姿――

今、目の前にいるこの男と重なる。


— …お父さん…?

レイカの声は震えていた。


空中に浮かぶ大鎌が揺れ、闇のオーラが一瞬ちらつく。


苦しみとひび割れ


過去の記憶が一気に溢れる。


終わらない叱責、完璧を求められた日々、

自由を求めて逃げ出した夜。

張り詰めた糸が切れそうなほどの苦しみ。


だがその中に、最近の日々が割り込む――


ミツキが見せた無邪気な笑顔。


リリーの言葉:「あなたの心は道を知っている」


救おうと手を伸ばすラディアント戦士たちの想い。


胸の中で何かが叫ぶ。ブラックアビスの命令と、心の声がぶつかり合う。


— 嫌だ…もう…!


レイカは胸を押さえ、地面に叫ぶように声をあげた。


介入と救い


そのとき、オフィスにユイたちが突入してきた。


— 今だ!引き離して!

ユイが叫ぶ。


ミハル(アンバー・ハート)は男の腕をつかみ、琥珀の力で後方へ引き離した。


— あなたはここにいてはダメ。早く逃げて!


リカ(ストリーム・プリンセス)は水の壁を展開し、レイカを押し戻す。


— ミハル、彼を任せた!ユイ、こっち!


レイカは叫びながら大鎌を振るい、ビル全体を揺らすような闇の波を放った。


だが、ユイはもう目の前にいた。燃える拳を構えながら。


— レイカ、私は…あなたを失いたくない!

 あなたは…私たちの仲間なんだ!


リカも力を重ねる。


— ストリーム・プリンセス、浄化の水よ!


— ブレイズ・フィスト、再生の炎よ!


— 合体攻撃:クリムゾン・ストリーム・プリフィケーション!


紅蓮の火と蒼の水が渦となり、レイカを包む。

眩しい閃光の中、闇のオーラが破れ、黒いクリスタルが音を立ててひび割れ――


砕けた。


レイカの体は膝をつき、瞳は再び温かな茶色に戻る。

暗黒の大鎌は消え、床に転がるのは彼女の古いバットだけ。


— 私…なにを…してたの…?

震える声で、レイカは呟く。


ユイは彼女の肩をしっかりと抱いた。


— 大丈夫。戻ってきた。それがすべてよ。


リカも微笑みながら、疲れた声で言う。


— あなたは強いよ、レイカ。でももう…一人じゃない。


ミハルが壊れたドアの奥から戻ってくる。

男を連れて、息を荒くしながら。


— 終わったわ。彼女は…自由になった。


闇に潜む者


その光景を遠くのビルから見ていたヒロトは、歯を食いしばって悔しさを隠せない。


だがシャドウは冷静だった。


— 構わない。今日はひとつ、重要な学びがあった。


— 傷ついた心は、閉じることも…砕けることもある。

 次は、もっと深く切り裂こう。

もしこの章を気に入っていただけたなら、ぜひお気に入り登録、いいね、あるいはコメントで応援してもらえると嬉しいです!








ほんの一言でも、皆さんの言葉は、私が物語を書き続ける大きな力になります。




これからも、心を込めて紡いでいきますので、よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ