生中継される都市の混乱
金融街の混乱は激しさを増していた。
サイレンが鳴り響き、警官たちが周囲を固める中、ブラックアビスの闇に包まれたレイカは、まるで止められない破壊の嵐のように、ガラスの高層ビルへと迫っていた。
「――止まりなさいっ!」
銃口を向けた警官が叫んだ。
銃声がこだました。だが、レイカは黒い鎌の一振りで弾丸を弾き飛ばし、それらを近くの壁に叩き込んだ。
軽やかな跳躍の末、警官たちを人形のように倒す。
「……俺を…止められると思うな」
声は空虚で、瞳は深紅に輝いていた。
数分もしないうちに、テレビクルーやカメラマンが警察の規制線をかいくぐって集まってきた。
「こちらは金融街からの生中継です!」
レポーターがマイクを握りながら叫ぶ。「鎌を振るう少女が現れ、暴れまわっています。警察も止められない様子で…超人的な力を持っているように見えます!」
別のリポーターもカメラに向かってコメントした。
「噂の“バットのあの子”、ついに“悪魔”になったのかもしれません。」
その映像は瞬く間に全国に拡散された。
隣のビルの屋上では、ヒロトが自分のスマートフォンでその様子を撮影していた。
笑みを浮かべながら、言った。
「見ろよ…これで日本中がお前を“モンスター”と見るだろう。」
傍らに佇むシェイドの影が冷たく囁く。
「モンスター以上の存在だ。ブラックアビスが人間の心まで侵食できる証明だ。」
ヒロトは笑いながら頷いた。
「だな。メディアも味方につければ、誰も嫌悪する努力すら必要なくなる。」
ビルの上階では、シェイドの部下──タケダも焦りながら指示を飛ばす。
「車をすぐ出せ! どうあれ、ここから逃げ出すんだ!」
警備員たちが彼を急ぎ出口へ連れて行くが、レイカの攻撃による揺れで建物全体が震えていた。
その時、一筋の光が通りを横切った。
リリィが魔法のテレポートを使って、魔法戦士たちを現場に呼び寄せたのだ。
**ブレイズフィスト(ユイ)**が炎のグローブを調整しながら現れた。
「くそっ、遅かったか!」
**ストリームプリンセス(リカ)**は青い杖を振り、水と風を行動で纏った。
「でもまだ止められる…!」
**アンバーハート(ミハル)**は胸の琥珀が淡く光る中で一歩前へ出た。
「誰も傷つけさせない。それに…レイカ自身が潰れてしまう前に。」
リリィは彼女たちの後ろに立つ。
「忘れないで。目標は彼女を倒すことじゃない、救うことよ。」
ライブ中継する群衆と、嵐のような夜の街。
その中心で、戦いは幕を開ける——。
Radient☆Magical Warriors VS アビスの操り人形:戦いの始まり。
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