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レイカの堕ちる刻

路地裏には金属の響きと鎖の音、悲鳴が反響していた。

レイカはまだ戦い続けていたが、疲労と人数差に押され、ついに耐えられなくなっていた。


背に鈍い一撃が入り、膝をついた。

バットが手からこぼれ落ちた。


「くっ、……こんなクズどもに負けるわけない……」

うめくように呟き、立ち上がろうとしたそのとき――


天井の闇から、禍々しい輝きが降りてきた。

歪んだ結晶の形相をしたそれは、黒い血管のような脈を這わせ、きしむように浮かんでいた。


チンピラたちは恐怖で後ずさりした。

しかし、すでに弱り切っていたレイカは避けられなかった。

その結晶が胸に激しくめりこむ。


「――アァッ!!」


暗色に染まった髪、深紅のような瞳。

黒のオーラが周囲を取り巻き、呼吸は荒く、

だが体の動きはより確かなものになっていた。

それが“彼女自身”の動きではないと誰もがわかった。


屋上でそれを見つめていた神崎ヒロトが歪んだ笑みを浮かべる。


「そうだ……その怒りに溺れろ。今、お前は俺のものだ。」


レイカは顔を上げた。そこにあるのは、かつての少女ではなかった。


「…命じて。」


呆れた声。かつて浪花のような熱を帯びていた声は、

今は空虚で、奇妙な響きだった。


ヒロトは手を差し伸べる。


「俺に従え。今日から、お前は“ブラックアビスの剣”だ。」


周囲のチンピラたちは固まった。

その傍らで、バットが黒く歪み、魔獣のごとき武器へと変わっていく。


一撃。

地面が轟き、周りのすべてが雪崩のように倒れる。


その背後で、シェイドの声が、暗闇の中から静かにささやいた。


「いい仕事だ。俺たちの支配下に置けば、

“ラディアントウォーリアーズ”に強力な刃となる。」


ヒロトはうなずき、冷酷な笑みを浮かべながら言った。


「そうだ。見せてやれ。

かつて“仲間”だった者と戦うという、恐怖を。」

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ほんの一言でも、皆さんの言葉は、私が物語を書き続ける大きな力になります。




これからも、心を込めて紡いでいきますので、よろしくお願いします!

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