新たな朝、新たな脅威
ラディアント・カフェの朝。
扉が開き、いつもと変わらぬ日常が静かに始まる。
疲労の色が隠せない中でも、ユイとリカは笑い合いながらテーブルを整え、ミハルはレジを整理する。保育園はまだ修理中のため、ミツキは隅の席でクレヨンを握り、大きな白紙に夢を描いていた。
その光景を、リリィは静かに見つめていた。
この穏やかな日常が彼女たちを落ち着かせていることに気づきながらも、
――長くは続かない、と心の奥で確信していた。
**
奥の部屋で、リリィはチームを集めた。
――昨夜の出来事は、警告だった。
その声は冷静でありながらも、内に強い決意を秘めていた。
――敵は決して眠らない。そして今、シェイドとあの男、ヒロトが共に動いていることがはっきりした。
彼女は、人々を巻き込まないための戦術――戦場を引き離す訓練――を再度強調する。
ユイは多少不満げに口を挟むが、理屈は理解していた。
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その頃、別の地区――
ヒロトはシェイドと接触していた。
保育園での作戦と、ポーセリン人形の敗北について報告が交わされる。
ヒロトは苛立ちを隠さず、さらなる力を要求する。
シェイドはその顔を隠したまま、冷たく微笑み、新たな「おもちゃ」の投入を約束する。
――次は…あいつらを一人ずつ、確実に潰す。
ヒロトの唇に、狡猾な笑みが浮かぶ。
**
夜。ラディアント・カフェ。
客足が途絶え、静けさが戻った空間で、ミハルはふと、ある少女のことを思い出していた。
――あの子…目の奥に、何かあった。
リカは興味を持ち、もしかしたら偶然じゃなかったのかもしれない、とつぶやく。
ユイは落ち着かず、拳を握る。
――また現れたら、絶対に話すから。
そんな彼女たちの会話を聞きながら、リリィは何も言わなかった。
だが心の中で、確信していた。
――あの少女は…この運命に、もう繋がっている。
ただ、まだ彼女自身がそれに気づいていないだけ。
**
そして最後は、あたたかな光景で幕を閉じる。
ミツキが新しい絵を見せてくれる。
そこには、ブレイズフィスト、ストリームプリンセス、アンバーハート、
そして――バットを構えた、制服姿の“あの少女”の姿が描かれていた。
――この子も…きっとヒロインになるんだよ。
無垢な笑顔で、ミツキは言う。
ミハルの手首で、琥珀色のブレスレットがやさしく光る。
まるで、未来がまだ書かれていない物語を――静かに祝福するかのように。
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