表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/78

思いがけない同盟

ラディアント・カフェでミハルの秘密が明らかになり、まだ重たい空気が漂う中、小さなミツキは近所の保育園でいつも通りの日常を過ごしていた。


部屋の壁には笑顔の動物たちが描かれ、カラフルなおもちゃが並んでいる。子どもたちは走り回って笑い声を上げ、先生たちは活動の準備を進めていた。


ミツキは、ピンクのワンピースと花のカチューシャをつけて、小さなテーブルに座った。クレヨンを手にして、にっこりと笑った。

—「今日はママを描くの!」


先生が近くにしゃがみ込んで聞いた。

—「どんな風に描くの?」


—「強くて、すっごく強いの!ヒロインみたいに!」とミツキは赤いクレヨンでスカートと大きな笑顔を描いた。


お絵描きの時間の後は、中庭にあるブランコや滑り台で遊ぶ時間。ミツキは他の子どもたちと元気に遊び、おもちゃを仲良く分けていた。

—「もっと高く!もっと〜!」とブランコに乗りながら楽しそうに叫ぶ。


その無邪気な姿は、ミハルが背負う重さとは対照的だった。ミツキは、母の知らないところで、まばゆい光のように明るく育っていた。


一方、事務所のトイレに入ったタケシは、普通の会社員のように見えたが、鏡の前では別人のようだった。


—「そろそろ…新しい技を試す時だ。」


足元の影が歪み始め、口からは異質な、歪んだ声が漏れた。

—「俺を…シェイドと呼べ。」


その声の残響は、街を駆け、静かにヒロト・カンザキの心に届いた。


通りを歩いていたヒロトが立ち止まる。

—「誰だ…?」


—「仲間だ。」とシェイドが低く応えた。「お前と俺は、共に憎しみ、恨み、そして力への渇望を抱えている。力を合わせれば、お互いの目的を果たせる。」


ヒロトは薄く笑った。

—「で、お前は何を得る?」


—「同盟だ。」と影の声。「俺は力を研ぎ澄まし、お前はその力で道を切り拓く。見せてやろう…」


タケシの手のひらが光り、金属のようなエネルギーがヒロトに転送された。ヒロトの体が震え、血管が液体金属のように光り、超人的な力が彼の体を駆け巡る。


—「…すごいな。いいだろう。話は聞こう。」


その新しい力を試すように、ヒロトは静かに歩き始め、やがて一軒の小さな建物の前で立ち止まった。そこは保育園。子どもたちが中庭で笑いながら遊んでいる。


その中に、ピンクのワンピースに花のカチューシャをつけた少女がいた。


ヒロトの足が止まる。

—「…あれは…ミハルに似てる…?」


一人の先生が彼に気づき、門の方へ歩いてきた。

—「ご用でしょうか?どなたかをお探しですか?」


ヒロトの目が怪しく光った。

—「俺の目を見ろ。」


女性の目が虚ろになり、催眠状態に陥る。


—「あの子の名前は?」


—「ミツキ・タナカ…」と無表情で答える。「母親はミハル・タナカ。近くのカフェで働いています。」


ヒロトの口元に、冷たい笑みが浮かぶ。

—「タナカ…やはり、あれは彼女の娘か。なんという運命だ…」


彼が催眠を解くと、先生は何事もなかったかのように瞬きをした。ヒロトは静かにその場を離れ、ゆっくりと歩きながら、危険な企みを心に描いていた。

「この章を楽しんでいただけたら、ぜひ★やブックマークを残してくださいね!次のお話を書く励みになります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ