ユウタとアカリの遠い記憶ーその恋は、雑用から始まったー
ユウタ「クルセイダー軍は、ここにきて、武器性能が上がってきている、放たれるミサイルの火力に、高出力レーザー・・・最近は、AIが機体の動きを予測し、レイザーがこちらの動きを予測して動くので、回避がどんどん難しくなっている・・・」
ユウタはこぼす。その隣にはいつも、相談相手がいた。緑のショートカット、包容力はあるが活発で、目がクリクリの女性、副隊長のアカリだ。
アカリ「確かにAIは、脅威よね・・・。私もシャークマシンに乗っていて、避けるのに一苦労だわ。
艦長は、元アイドルでおちゃらけている艦長だけど、
ああ見えてIQ300・・・I Tとプログラミングの扱いは天才的・・・彼女に相談してみるわ・・・」
ユウタはありがとうと言う。
ユウタ「なぁ。話があるんだ・・・」
アカリは、頷き、甲板の近くのベンチに2人で座る。
ユウタ「君にはいつも支えてもらってばかりだ。恩返しがしたいと感じていたが、クルセイダー軍との戦闘でいつもそれができない...............」
落ち込むユウタにあかりは明るく、話しかける。
あかり「ユウタ。そんなに落ち込まないの。ここは戦場よ。困った時はお互い様。いつもクルセイダー軍の脅威を一緒に乗り越えてきたじゃない...............」
ユウタ「お互い、色々あったな」 あかり「そうね。」二人は見つめあった。その薬指には指輪が光っていた。
ユウタは思い出す。新人隊員の時を...............
この世界はグング二ウム値によって序列が決まる。ユウタはグング二ウム値が昔から高い。
それは軍に入っても同じ、グング二ウム値が高いユウタは他の新人隊員よりも出来がいい。
そのことにより、調子に乗っていた。ある日の訓練中の事。
教官「戦闘機の、点検を怠るな!!いつ敵が来ても乗れるように必ずチェックしおけ!!」
出来のいいユウタはこれを無視した。
ユウタ(点検なんて.........めんどくせーよ...............飛行機の性能と俺の腕で何とかなるだろ...............)
ユウタは点検を怠り続けた。しかしいつも通り前線に出たときに、ことが起きた。
ユウタ「ユウタ。シャークマシン。発進します!!」
いつも通り前線に出るユウタ。しかし、事件が起きる。クルセイダー軍が目の前に迫る。
いつも通りのビームライフルを発射してきた。いつも通り旋回をしてよける。
しかし、AI性能がついているためユウタの戦闘機についてくるビームライフル。
ユウタ(やっぱ。AI性能がついているのね...............敵さんもよく考えて...............)
エンジンを点火させ、ハンドルを回そうとしたその時...............
ユウタ(何っ!!ハンドルが利かない!!)
動かなくなるユウタのシャークマシン。
ユウタ(まずいっ!!)その時だった。
ハートマークの付いた戦闘機...............あれは...............
ユウタ「.............あれは!!あかりの...............シャークマシン!!」
あかりのシャークマシンからビームライフルが放たれる、それと同時にあかりは言う。
アカリ「ユウタっ。教官が常に点検を怠るなって言ってなかった!!」
クルセイダー軍は猛攻をやめない!目の前からどんどん攻めてくる。
ユウタのシャークマシンが狙われる。
ユウタ「くそっ!!こうなったら」
ユウタがあるボタンを押そうとした。
しかしあかりの戦闘機の動きが常人離れしていく、
パイロットとしての能力が覚醒していく!!
アカリ「それに頼るなんて新人隊員主席の男も腕が落ちたもんね。...............
しっかりしてよ...............私がユウタのことが...............ユウタのことが...............」
それと同時に、あかりが光に包まれた。
ユウタ「これはっ!!」
アカリは次々にクルセイダー軍を撃破。戦局を終結させた。
戦局が終わり、戦艦の甲板に戻る。艦長のまどかがあかりに近寄る。
まどか「アカリさんかっこよかったですね!!光に包まれて素敵でした!!
ユウタさんはなんですか?戦闘機ちゃんと点検してたんですか?」
ユウタ「...............すいません...............」
アカリ「まったく、この人は...............」
まどか「バツとして、二人で恭二とこの船の雑用係やって下さい...............」
アカリ「え?なんでわたしまで?」
まどか「連帯責任です。艦長命令です」
アカリは肩を落とした。その後、恭二は笑いながら二人を出迎えた。
恭二「おお。シャーク隊の有望ルーキー二人が雑用にお出ましで..............
何かあったのか...............」
アカリ・ユウタ「聞かないでください...............」
恭二「ようし。そうと決まればまずは、クルーが食べた夕食後の皿洗いの手伝いからだー。きつかったからなー。そのあとは、戦艦内の掃除と、シャークマシンのふき掃除...............いやー人出が多いと助かるわ。」
ふたりの声がシンクロする。それと同時に見つめ合う。顔が赤くなるふたり。
そしてアカリはきがつく。
アカリ(あの時の光...............もしかして...............私がユウタにときめいて...............プロフォールの値が...............が...............)
ユウタは黙々と皿洗いを続けていた。
ここは、ギズダンバル地方、フェトルナム市、市街地の外れ。
かつてこの地では、ある禁忌とされた研究が秘密裏に進められていた。
それは、「人のプロフォール値を人工的に操作する薬の開発」
特殊な素養を持つ子供たちーー家庭的に保護が必要な少年少女が施設に集められ、
幼少期よりペアで行動させ、「心の高揚」を観察。
研究者たちは、微小な血液データを採取し、
人為的な、「プロフォール生成」の技術を模索していくのだった。
ある時、そこに、一つの黒い戦闘機が、その研究室に現れる。黒いサングラスをした全身真っ黒の男。
ヨシキ「ここの研究室の責任者は?」研究室の門番「誰だお前は?」
すると、黒い男が門番をにらんだ。その黒い男の全身が光に包まれる。
門番は、その男に何もしていないのに左に飛んで行って崖から落ちた。
光を放ったまま、ヨシキは無言で研究室の室長室まで向かう。どの職員の抵抗もはじき飛ばされ、
見るも無残な状態になった。
研究室の室長室に着いた。研究室の責任者は椅子に座りながらおびえていた。
ヨシキ「ここの研究をやめてくれないか...............」
責任者は狂った笑顔で言った。
責任者「やめるだって、ここの研究はもう完成しようとしている。プロフォール生成にもうときめきは必要ない...............我々の手でもうすぐ..........この手に...............」
ヨシキ「プロフォール生成はもともと俺とユリカで行われていた研究だ...............
貴様らはそれを利用して何人の命を犠牲にした...............」
責任者は何か答えようとしていたが、光を放ったその男により弾き飛ばされた。
ヨシキ「ここの研究室を占拠する。そして、ここにいる子供たちを全員解放してわが軍に入れろ」
クルセイダー軍は、それに従い、子供たちを軍に引き入れた。
しかし、その行動を見ていた政府は軍隊を派遣。以来、ここの戦局は激しくなっていった。
そこに、応援要請された女がいる。長い髪をまとめ、目が大きく、長身。グラマラスなボディ...............
チヅル・サカモト、そしてアカリだ。
チズル・サカモト「ちょっと、戦闘服がきついのよね...............、お尻と胸が動きづらい...............」
アカリ「相変わらずスタイル抜群ね。戦場に似合わず...............」
チズル・サカモト「アカリさんはいいですよねぇー。」
チヅル・サカモトはアカリの全身を見て呟く。
アカリ「ちょっと.............アンタ...............」
愉快な話をしていると銃弾が飛んできた。壁に身を隠す。
アカリ「相変わらず。敵さんは油断ならないわね...............」
チズル・サカモトは銃を握る手を見ると指輪が光っていた。
チズル・サカモト(あれっ?あんな指輪?アカリさんしてたっけ?)
戸惑いながらも、銃撃戦になっている。アカリはチズルに言う。
あかり「ここは。気を抜くと危ない!!油断しないで!!ついてきて!!」
チヅルはその指輪に戸惑いながらも、あかりの行動についていった。