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夢だとわかった瞬間、この時間がずっと続けばいいと思った。ずっと夏帆だけがいればいいと思ってしまった。
私が泣くのが落ち着いてくると夏帆は私の手を掴んで歩きだした。
しばらくすると夏帆が「私は、さくらと友達になれてよかった。」と言った。急にそんなことを言うから私はびっくりして「え、あ、急にどうしたの」と言いながら夏帆の顔を見た。夏帆は私のことは見ずにただ真っ直ぐ前を向いていた。夏帆は私のびっくりした反応に応えることなく「私はさくらがいなかったら1人だったと思う。私はさくらと違って自分から誰かに明るく話しかけることはできないし、周りのことを考えて行動できるような優しい人にはなれなかった。」私は夏帆がそんなことを思ってるなんて知らなくてすこし驚いた。でもすぐに「そんなことないよ、私は優しい人間じゃない。だって今もこの時がずっと続けばいいと思っているし、夏帆だけがいればいいって思っているよ」それを聞いた夏帆はやはり顔は合わせてくれなかったが、少し口角が上がり「やっぱりさくらは優しいよ」と言った。




