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第8.5話 娘の変化

(公爵視点)



我が娘、ミロアが屋敷の窓から飛び降りたと聞かされた時は心底驚いた。それは突然屋敷に戻った時以上の驚きであった。学園の方で何かあったと思っていたが、まさか自らの命を絶とうとするなんて……!



「ミロアに、一体何があったというのだ!」



学園に問い合わせてみたのだが、学園長からは「ガンマ殿下と痴話喧嘩しただけ」としか返答がない。そのガンマ殿下にも詳しく話を聞こうとしても「何もなかった」の一点張り。



そんなはずがあるか! 我が娘が窓から飛び降りるなど尋常ではない!



その後も何度か学園と王家に問いただしたのだが、あまりにも聞くに耐えん情報が入ってくる。ガンマ殿下が不貞をしていたとか、ミロアがストーカー行為をしていたとか……どういうことだ? ミロアからはガンマ殿下との関係は良好だと聞いていたというのに?



様々な情報に翻弄される中、三日が経った時ミロアが目を覚まして安心した。だが、そのミロアの口から驚くべきことを聞かされた。



なんとガンマ殿下が不貞をした挙げ句、ミロアに暴言を吐いて突き飛ばしたというのだ! ミロアの言葉を信じてガンマ殿下との関係は良好だと思っていただけに私は絶句した。そして、怒りを感じた。そのような男にミロアを渡すわけにはいかない!



ミロアもすでにガンマ殿下に愛想を尽かし婚約を解消したいとのこと。その言う通り婚約など解消すべきだ。王族といえども己に好意を抱く女性に暴力を振るうなど許せるはずがない。それ以前に婚約者以外の女性と仲良くするなどふざけているとしか思えん!



しかし、相手は王家。我が家との繋がりを失うことに難色を示すに違いあるまい。私が一度二人の婚約解消を申し出たとしても首を縦に振ることはないだろう。



………だから解消できるだけの材料をもっと多く揃えよう。時間はかかるだろうがミロアのためにもガンマ殿下との縁をなんとしてでも切らなければならんのだ。あの子が私に頼むなど滅多にないのだからな。



ミロアはずっと私に心配かけまいと斜め上の報告をしてきたのだ。辛かっただろうに健気なこと……辛い思いをさせてきたのだ。今度こそ、父親らしいことをして見せよう。


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