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第45話 結局二重スパイ?

「ありがとうなミロア。何だか元気が出たよ」


「オルフェ……」


「でも、励ましてもらっただけじゃあ俺の立つ瀬が無いと思うんだ。だから……」



オルフェは一瞬間をおいて告げる。何故なら、ある意味でオルフェにとって危険な綱渡りを行くことだからだ。



「俺はこれからも殿下の側近の奴と付かず離れずにいようと思う。そのうえで何か動きがあればミロアと情報共有する。そうすれば、殿下達がミロアになにかして来ようとも事前に対処できる。うん、そうしよう」


「ええっ!?」



オルフェの口から告げられたのは、ガンマ側の者として側近と繋がりを持って行動しながら彼らの情報を探ってミロアに情報提供するということだ。それはまさに、先程ミロアが前世の知識から思いついたオルフェの役割みたいなもの、二重スパイだ。



(それって結局二重スパイじゃん! ええ!? 結局オルフェはそんなことをすることになるの!? ちょ、今さっき前世に囚われすぎないようにと思ったばかりなのに!)



呆気にとられるミロアだったが、すぐに慌ててオルフェの説得を始める。



「ま、待ってよオルフェ、それは裏で殿下たちを裏切ることになるでしょ! そんなの駄目でしょ! そもそも、それがバレたりでもしたらどうするつもりなのよ!」


「それなら大丈夫。ガンマ殿下は落ち目だし、もう片方の側近は脳筋で馬鹿すぎる。本当に危険なやつは一人だけだが伯爵令息に過ぎない。仮にも俺は侯爵令息なんだ。立場だけなら俺のほうが有利だからなんとかなるよ」


「いやいやいやいや! 相手は宰相の息子でしょ!? 王家との繋がりが強いんですけど!」


「ああ、逆に言えば王家の裏事情や弱みすら握ってるのと同じだね。リスクは大きいけど、その分だけ得られるものも大きいはずだ。大丈夫、上手くやるさ」


「ちょっと〜!」


(不味いわ! かえって面倒な状況になったじゃない! こんな時は、どうすれば……仕方ない)



ミロアは、オルフェが危険な橋を渡ることを望まない。だからこそ、手段を選んでいる場合じゃないとして前世の記憶を頼った。



(こういう時は……遠回しに接触するのよ。たとえば、敵の敵から情報を収集して……そうだわ!)


「オルフェ、何も今の側近にオルフェが近づくこともないじゃない!」


「え? それはどういうこと?」


「もう一人いるでしょ、殿下が男爵令嬢に関わってから側近を辞めた男が! 」


「! ああ、そう言えばいたね。真っ先にガンマ殿下を見限って離れた人が、名前はたしか……」



「「ローイ・ミュド!」」



ミロアとオルフェの声が同時に重なった。

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