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第38話 私は公爵令嬢

それというのも、ドープアント王国には公爵家は一つしかない。つまりミロアは学園内の唯一の公爵令嬢なのだ。



(私は公爵令嬢……つまり、生まれた時から敵がいるような身分。ガンマ殿下を追いかけてきた頃は気にもしていなかったけど、他の上級貴族の令嬢やガンマ殿下に憧れる人とかが絡んできたこともしばしば……)



公爵家の立場とは敵が多いし敵視されやすい。前世の知識でもこの世界でもその認識は同じだった。王族でもないのに強い権力を持つ存在は、疎まれ、妬まれ、恐れられ、憎まれやすい。些細なことでも大事でも、きっかけがあれば怒りの矛先を向けられる。面倒事に巻き込まれる要因になり得るのだ。



(ゲームや小説の悪役令嬢は公爵令嬢が多いもんね。悪役令嬢に絡むモブも公爵の立場に因縁つける設定の人が多いから、私もできる限りガンマ殿下から距離を取って敵を増やさないようにしたいのに……)



できるなら友人がほしいし、オルフェとも友好関係を築き直したい。それがミロアの願う学園生活なのだが、今のままでは学園生活に戻っても面倒事に巻き込まれそうで不安が強くなった。



(……私が復帰するまでに婚約解消してもらわないと不味いわね。でも、あの王家のことだから……)



王家がミロアとガンマの解消を発表するのは結構後のことになる可能性がある。元々、婚約解消そのものを渋る王家だ。時間稼ぎを兼ねて発表を遅らせる可能性も考えられる。



(これは……噂の信憑性を確実なものにしないとね。そのために……)


「オルフェ、私がガンマ殿下に愛想を尽かしたこと、まだ信じられないわよね?」


「え? それは……学園で殿下が男爵令嬢と一緒にいたり、ミロアに暴言を吐いたからそのショックでミロアが悲しんだから……じゃないのか?」


「そうね、それもあるけど……」


(オルフェでも、それくらいしか分からないか……)



婚約解消の本当の理由が知れ渡っていない。それが分かったミロアは決心した。学園にはより正確な噂が流れるように仕向けてやろうと考えたのだ。



(オルフェが味方と決まったわけじゃないけど、彼には情報の拡散をしてもおう。殿下から人が離れていく事になりそうだけど、私に敵が増えるのはゴメンだからね)



「オルフェ、私が殿下と婚約解消をしようと思ったのはね――――」

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