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第36話 心の中では

どうやら、ミロアの予想通り学園の方では、ミロアとガンマの関係のことは大雑把に噂になっていたようだ。特に『婚約解消するかもしれない』と聞いて、心の中では喜んだ。



(そんな噂が流れているということは、殿下は近いうちにフリーに……婚約が決まっていない状態になると思われているはず。そんな殿下の新たな婚約者になりたいと思って殿下を狙ってくれる令嬢達が続出……つまり、殿下が私にちょっかいをだす時間が限られてくることを意味する!)



ミロアの知識の中では、婚約者のいない王族を狙う令嬢は多いのだ。特に伯爵から公爵までの上級貴族の令嬢なら必ず己を売り込んでくるはずだとミロアは思うし、そうであってほしいとも思っている。多くの令嬢に迫られるようになれば、いかにガンマと言えどもミロアとの関係修復をする時間どころか、例の男爵令嬢と遊んでいる時間もないだろう。



(これで私の学園生活の不安が三割くらい消えたわ! このまま新しい婚約者でも早く決まってくれれば半分くらい安心できる! だとすれば……)



オルフェのことは信用できるかどうかまだ正確に判断はできない。だが、彼から情報を引き出すためにもミロアからも情報を出さなければならない。



(今はオルフェは私にとって敵でも味方でもない。まあ、そういう立場でもいいんだけど、できれば味方がいい。でも、今はそんなことよりも情報がほしい……)



前世の影響で、ミロアは幼馴染のオルフェのことも疎遠だったこともあってか信用しかねている。だが、情報提供はしてほしいと思っているので、相応の対価としてミロア自身の個人の情報を出すことにした。ただ、別に知られてもいい情報……知られたほうが都合がいい情報を流すことは確定だった。



「そうね。事実としては私が殿下に愛想つかして父に婚約解消を王家に申し出てもらったんだけどね」


「ええっ!? ミロアの方から愛想つかしただって!?」


「っ!」



オルフェは驚いた……のは間違いないが、意図的に大げさに驚いてみせた。ガンマの側近の事前情報で、ミロアがガンマに冷めてしまったことは聞いていたが、ここで驚かないとミロアに不審に感じられてしまうと思ったのだ。それくらいはオルフェも察していた。



(あの情報が事実だったとは驚いた……正直、嬉しいけどな。ガンマ殿下に何の思いを抱いていないのなら今のミロアに意中の相手はいないはずだ。それならば俺にも……!)



オルフェは驚く姿を見せながら、心の中では喜んでいた。

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