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第21話 思わぬ意見

「はい。旦那様はもうそろそろ帰ってこられますので、その際にガンマ殿下が訪問してきたことを報告しましょう」


「お嬢様の望んでおられる婚約解消を通り越して婚約破棄もあり得ることでしょう。それだけの無礼を殿下はなさったのですから」


「そうよね(うんうん! 本当そうなってほしいわ! 作戦成功ね!)」


ミロアは予想通りの返答を聞いて上機嫌になった。ガンマが訪問してくることは予想外であったため、とりあえず信頼できる護衛に見張ってもらい、ガンマが強硬手段に出ようものなら助けてもらうことにしたのだが、この件で婚約解消のいい材料になるだろう。ミロアとしては、ガンマを無言で脅して逃げ出させるようにしてほしいと指示したかいがあった。



(前世の記憶って本当にいいわね! おかげで嘗ての自分を反省できるし、これから先にどう行動したらいいか先読みできる気分だわ!)



これから先に何があろうとも、前世の知識を応用すれば乗り越えられる。そのように考え始めるミロア。だが、それに待ったをかけるかのようにダスターとスタードから思わぬ意見があった。



「お嬢様、あまりガンマ殿下を刺激しないほうがいいかもしれませぬ。仮にも相手は王族なのです。ガンマ殿下は短気ゆえに権力を使って強硬手段に出ないとも限りません」


「今回は屋敷故に我らがすぐ近くにいたから良かったのですが、学園や社交に出ればガンマ殿下が大胆な行動に出るやもしれませぬ。近ごろのガンマ殿下は感情的になりやすい面が見られますゆえお気をつけなさいませ」


「……っ!」



ミロアはハッとした。二人に言われてみれば確かにそうなのだ。ガンマは男爵令嬢ミーヤに出会ってから感情的になりやすくなり、ミロアに対して明確な負の感情を当てるようになった。つまり、今のガンマは何をするか分からない敵だと言ってもいい。



(そうだわ。私は学園で殿下に突き飛ばされたんだ。後二~三週間くらいであの学園に復帰するんだわ。その後は孤立している私を守る人は……いないわよね)



ミロアには友人らしい者は少ない。ガンマに執着するあまり交友関係をうまく築けていないのだ。クラスで隣の席に話をする令嬢が一人いるが彼女にミロアを守れるとは思えない。別のクラスに幼馴染の青年がいるが、今の関係は互いに挨拶を交わす程度。身を張って守ってくれるか微妙なところだ。



(まずいわね。あの王子のことだから学園なら単身で乗り込んでくるか取り巻きで囲んで来るなんてこともあるかも……早急に対策が必要だわ)



ミロアは前世の知識といまの世界の常識などを視野に入れて対策を考える。

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