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第157.2話 神様は……

(元王太子視点)



元騎士団長に追い詰められる僕達の前にミロアが現れた! 



「み、ミロア! 本当にミロアなのか!?」



何ということだ! 絶好の機会ではないか! 今ここでミロアとよりを戻せば全てがチャラだ! 神様は僕を見放さなかった! 今すぐにミロアとよりを戻せばいいんだ!



「そうですが……どうやらガンマ殿下は私のお顔をお忘れになられたようですね」


「いや、そんなことはない!」



実はそうでもある。以前のミロアと今のミロアでは真逆と言っていいほど違いがある。正直、今と比べると昔のミロアの姿がかすむ……いや、今はそんなことはどうでもいい。すぐにミロアを口説いてやるのだ!



「なあ、ミロア! ぼ、僕との関係をやり直さないか!? 今までの僕はお前と向き合うことをしなかったことが一番いけなかったんだ! それがいけないことだったとやっと気付いたんだ!」


「……」



笑顔でミロアに声をかけてやる。イケメンの僕が笑顔をみせて縋ればイチコロだ!



「ミーヤとかいう男爵令嬢……悪い平民の娘に騙されてしまったことも僕の落ち度だったことは認める! お前に一切の非はなかった!」


「……」



いや、非は数え切れないほどミロアにある! だが、嘘でも言っておけばいい。チョロいからな。



「ミーヤに唆されてお前に暴言を吐いたり、暴力を振るったことをずっと悔やんでいたんだ! 僕は自分の非を全て謝罪する! 本当に済まなかった! だから……」


「……」



暴力と暴言は僕にそうさせたミロアのせいだけど、ここはとりあえずミーヤのせいにしておく。後々に罪を被せればいいだけだし。



「……なんですか?」


「僕と婚約し直してくれ!」



やっと言ってやった! これだけ言えばミロアも大喜びで受け入れて、



「嫌です」


「へ?」



……うけいれて、くれない? え? なんで? どういうことだ!?



「な、なななな何を言っているんだ!? お前、自分が何を言っているのか分かってんのか!?」


「殿下の要求を断りましたが、何か?」



えええ!? 顔色変えずに何かってなんだよ!?




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