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第112話 こういうのを『ざまぁ』

これも血は争えないということなのかも……ミロアは思わずにはいられなかった。



「そして、その場で修羅場になったのですね」


「そうだな、あまりにもスターナにつきまとうハトロイに我慢の限界を迎えた私は怒りをむき出しにしたのだ。もうスターナに関わるなとな。それでも諦めるつもりのなかったハトロイは私に決闘を申し込んできたものだから見苦しいものだったよ」


「決闘までしたのですか?」


「ああ、圧倒してやったよ。そこそこの腕だったが私には敵わなかった。だが、今度はスターナに愛を訴えたものだから今度はスターナが怒りを爆発したのだよ」


「お母様が怒りを爆発……」


「見たこともないような怒りの形相で、聞いたこともないような罵詈雑言でハトロイを責め立てたのさ。ハトロイも目を丸くして言葉も出なかったよ。挙げ句、絶句して声すら出せなくなったハトロイを蹴りまくるのだから見てた私は爽快な気分だったものさ。あの時の光景は清々しくてたまらないよ」


「……」



今は亡き母の暴走(?)を心底愉快そうに笑って語るバーグだったが、ミロアは苦笑いしていた。何となく面白そうではあるが貴族としてそれはどうかとも思えるのだ。前世は日本人で今は貴族令嬢である故か。



(お父様もお母様も破天荒な人達だったのね……)


「ハトロイはそのまま気を失ってしまったからその場で放置。奴の奇行に周りがうんざりしていたから誰も介抱するようなことはなかった」


「お母様は暴行罪には、」


「ならなかったよ。正当防衛ということで話は片付いた」



気を失うまで蹴り続けるのは過剰防衛になりそうだが、当時のことをよく知らないミロアは細かいことは気にしないことにした。



「それ以降、ハトロイは私とスターナを避けるようになった。流石にスターナに暴言をはかれて暴力を振るわれると大きく印象が崩れてしまったんだろうな。奴の口から謝罪の言葉が聞かされなかったことだけは残念だったが、私達と顔を合わせるたびにビクッと震える姿は本当に滑稽だったよ。あれほど恋がれた相手に対する思いが恐怖に変わるんだ。知る者は皆して面白がったものだ。本人は嫌だっただろうけどな。くくくっ」


「……ぷっ」



バーグがあまりにも面白そうに語るものだからミロアも遂に吹き出してしまった。



(……そうか、こういうのを『ざまぁ』というのね。前世で一番楽しみにしていた内容なのね。まさか父親の口から語られるなんて、転生ならではかしら?)



バーグの昔話から前世で言う『ざまぁ』を思い出すミロア。『ざまぁ』とは「ざまあみろ」の略称であり、「主人公が悪役に復讐する」「酷いことをした者が報復を受ける」などの内容を表している。バーグの話がそうなのだとミロアは感じた。





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