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第97話 ベッドの中で

就寝時間。一部を除くが、すでに誰もが寝静まっている時間。ミロアはベッドの中で思案していた。数時間前のエイルとの会話が頭に離れなくて気になって寝付けなかったのだ。



「……何だかいろんなことを知りすぎたわ。でも、これも公爵令嬢の運命。最終的な決定は明日お父様と話し合ってからなんだけど……今になってあれでよかったのかわからなくなってきたわね……」



婚約者を決めてしまって早い段階で、寄り付く男たちに対する牽制と問題解決を目論むミロアの案。些か強引な気もするが、面倒事を早めに終わらせたいミロアにとっては危険を覚悟した上での提案だった。



「……何か仕掛けてきた時は、それを打ち破って相手を不利にして退場させてやろうって思ってたけど、思えばあんなんでもガンマ殿下って一応王族のままなのよね。最終的に男爵になるみたいだけど、その前に王権乱用は……もうできないか」



バーグの話では、ガンマは王宮の騎士たちからも見放されているため彼に従う騎士はほとんどいないらしい。無理に従わせようならば国王に報告されたり、事前に裏切られるのが目に見えているという。



「あんな王子に従うのは建前でも側近くらいかしら? でもマーク・アモウは野心に利用するために側近でいるだけだし、ローイ・ミュードは辞めたから論外。この二人も結構癖が強いうえに伯爵と侯爵の家柄、でもどっかの脳筋みたいなことをするとも思えない……」



ガンマの側近の一人は少し前に罪を犯して消えた。その二の舞いになるようなことはしないと思える。ただ、閉鎖的な学園でどう動くかまでは分からない。



「気軽に留学生すら受け付けない閉鎖的な学園……それでも専属騎士を二人入れてはくれる。心強い味方がいるから安心だけど、その条件は向こうも同じだと考えると油断はできない。最悪、男たちが手を組んだ時のことを考えると私も戦力にならないといけない。そういう意味ではソティーに剣術も習うようになって良かったわね。でも、学園は本来そういう所じゃありませんってエイルに言われたんだっけ」



珍しく軽く叱ってくるエイルのことを思い出して笑みを浮かべるミロア。その後、長い話になったせいで時間も遅くなり、話は結局明日に持ち越すことになったのだ。ミロアに新しい婚約者を決めることで一度に多くの問題を片付けようという作戦は、父バーグに伝えて改めて考え直そうということに。



「……まあ、お父様も私の婚約に関しては自由恋愛とはいかなくとも変な男との婚約はさせない方針みたいだから大丈夫よね」



肝心のミロアの婚約者に関してはまだ未定だが、多分幼馴染で信頼できる青年に決まるとミロアは思っているし、エイルもそうなるだろうと口にしていた。



「幼馴染か……多分、お父様は少し頼りないって言って少し渋るけど、他にいい人なんていないから確定よね。もし駄目だって言っても私が説得するから決まるわね」



どちらにしても、明日もおそらく長い話になるのは間違いないだろう。




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