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[短編]今朝見た夢を物語にした(2)

作者: 桜田クレイモア

「これは…」

━そこにあったのは、紫色のまばゆい光を放つ[光の子]だった。

男は、産声をあげる[光の子]を抱き上げ、ヘソと鼻を結ぶ。

すると、産声は複雑な呪文へと変化していく。

「ヤサイマシマシカラメマシアブラスクナメニンニク」

呪文によって輝きを増した[光の子]はどどめ色だった。

「この[光の子]はアルカリ性ヨーロッパか。なら必要ないな。」

男はそう言い、[光の子]を田んぼに植えた。

そして男がフェリーに乗り込もうとしているとき、声が掛かった。

「貴様。」

男が振り返ると、そこには[光の子]を抱え、黒いローブを纏った謎の男がいた。

「貴様、何故[光の子]を捨てた?」謎の男は問う。

「牛飼いの娘が腸に人参を詰まらせたからだ、お前もどうなるかわからん。」

男はそう言ってフェリーを発車させた。

「まさかな…」

謎の男が[光の子]に目を向けると、それは忽ち黄色の眩い光を放った。

「こ、これは…?」

謎の男はあまりの眩しさに目を細め、ローブが燃え尽きた。

━発光が収まると、謎の男の目の前にはムキムキの男が居た。

「私がアーカイブマンだ。」

アーカイブマンと名乗るムキムキの男が、自信を【アーカイブマン】だと主張すると、彼方の星々が湧き立ち、歓声を上げた。

「みんな、待たせたな。私がアーカイブマンだ。」

するとアーカイブマンは、目の前の謎の男を指差し言い放った。

「お前の悪事は見過ごせん、私が直々に処刑する。」

謎の男は【秋田汚職探偵事務所】の光速千代の富士だったのだ。

「だが、お前はまだ生まれた直後だ。100%の力は出せまい。」

光速千代の富士はアーカイブマン向かってタックルをかます。

アーカイブマンは熱々の煮卵を投げつけた。

熱々の煮卵は光速千代の富士の顔面に直撃し、半熟の黄身が顔を覆う。

アーカイブマンは相手が怯んだ隙を見逃さない。

即座に海苔、ねぎ、チャーシュー3切れを次々と放った。

海苔が光速千代の富士の足と地面の隙間に入り込み転倒させる、自由落下していく身体の下にあるのはカチカチのネギ。

ネギは光速千代の富士の背中に食い込み、生涯消えない傷跡を残す。

そこにすかさずチャーシューが飛んでくる。

━股間にチャーシューが当たった。肉汁が飛び散る。

━飛び出た腹にチャーシューが当たった。肉汁が飛び散る。

━顎をチャーシューが撃ち抜いた。肉汁が飛び散る。

「とどめだ。」

そう言うとアーカイブマンは光速千代の富士の首に細麺をかけた。

「ぐおぉ…細い麺が俺の首に絡みつく…」

光速千代の富士は死んだ。

「世界には、無駄な物が多すぎるな。」

そう言い残し、アーカイブマンは飛び立つ。

彼が戦った後に残るのは相手の亡骸だけだ。

~Fin~

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