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旦那ちゃんと嫁ちゃん

旦那ちゃんと嫁ちゃんのなんとかなるさ

作者: 山本大介

 いつもの感じで~。

 

 旦那ちゃんは、パソコン前でパチパチとキーボードを強打する。

「しっかし、飽きないね~」

 寝室(ここで書いている)に入って来るなり、嫁ちゃんは呆れ顔、

「・・・今いいところだから話かけないで」

 画面を見つめ、一心不乱に書き綴る。

「どうせ、エロいの書いているんでしょう」 

「書いてないよ!」

「そう・・・あのさ、今日会社で・・・」

「あ~世間話しないで、気が散る~」

「ちえっ、けちんぼ」

「けちんぼじゃないでしょ・・・けちんぼといえば、俺のち〇ぼ、やっぱおっきいでしょ」

「ちゃいちいっ!って、唐突にやるね」

「やるね・・・俺はヤル男さ・・・・・・も、ちょっと・・・やめてよ」

「自分ではじめたくせに」

「あと30分・・・あとで聞くから」

「はーい」

 部屋の扉を閉め、嫁ちゃんは録画したドラマを観にリビングへ戻った。


 コポコポコポ。

 ゴールドブレンドの顆粒が溶け、鼻腔に香りが漂う。

 コトリとテーブルの上に、二つカップを置く旦那ちゃん。

「ありがと」

 嫁ちゃんは首をすくめる。

「どういたしまして」

 旦那ちゃんは対面にあぐらをかいて座る。

「どう?成果は」

「ん~スランプかな」

「書かなきゃいいのに」

「そうやね・・・でも、ほぼ日課だし、書かないとズルズル書かなくなっちゃいそうだし」

「ふーん、そんもん」

「そんなもんよ、ま、書かなくなる・・・それはそれでもいいんだけど」

「なにそれ?」

「なるようにしかならないってことだよ」

「まあね」

 2人はコーヒーを啜る。


 旦那ちゃんはカップを置いた。

「ねえ、嫁ちゃん話は変わるけど」

「なん?」

「今夜どうだい?」

「断る!風邪ひくっ」

「なんでぇ~俺のここビンビンですよ」

「嘘つき、ふにゃふにゃのくせして」

「なら、試してみろよ」

「ういっ!」

 嫁ちゃん、股間をタッチ。

「・・・・・・」

「・・・・・」

「嘘つき~」

「嫁ちゃん、違うのよ。心の目で感じてごらん。ほら、家をつきやぶるぐらいの・・・」

「ふにゃ〇ン」

「はじめれば、なんとかなるさ」

「ならない」

「・・・・・・泣くぞ」

「どうぞ」

「・・・うぇーん」

「はいはい」

「このくだり(やりとり)飽きた?」

「うん」

「そう・・・」

 旦那ちゃんと嫁ちゃん、夜は今日も更けていく。



 なんとかなるさー(笑)。

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