光と交差する世界で
綺麗な色が聴こえる
何も無く透明でパタパタと叩いてくる
悲しい音が見えている
くすんだ青に殴り書きの灰色
冷たく暖かいそんな匂いがする
思い切り吸い込むと冷たさに体が震え、その姿を見たキミがマフラーを巻いてくれる
色も音もチグハグなようでそうでもない
違う形が合わさって、2つとない味をかもしだす
空を見上げる僕はもう何日目だろう?
いつからか隠れてしまった7色に光る透明で頭が割れるほどの高さの音が隠れてしまった。
頭に響く7色に光るは知らなければ不快とも取れたが
今では必要だだたとも思える
光のリズムが心に新しい思い出を刻んでいたのに。
空を見るようになって何日目だろう?から何日目だろうか?
空を見たところでないのかもしれない。
と思い始めた。
朝昼夕晩
変わりゆく色に混じって幸せに感じた7色に光るは混じってしまったのかも?
空を見上げて変わらない世界に文句を言う。
ただ文句を言っても変わらない。
しかたない、自分が変わろう。
光は音として声に出すことはできない。
人ができる限界なんてそんなもん。
光にならないまでも、音を声に出せば
7色の音が色とぬくもりを届けてくれるはず。
音を鳴らすことを始めてみる。
部屋の中には様々な光になれなかったものが溢れている。
足元に転がるビニール袋、飲みかけのペットボトル
キット茶色に違いない
随分前から出ない水が蛇口を乾かしてしまった。
最後に入ったお風呂のお湯は多様性を秘めた半透明
光になり得るのはこの半透明かもしれない。
鈍く光る金属の円盤がジャラジャラ音を立てる
負けることで人が強くなるのならあの時こそが人類の誕生だろう。
最後に食べたのはケーキ、誕生日だからだろう。
色々なものの中で僕は呟く
世界に神がいるというのならそろそろ僕を助けてくれる
だから今日も空を見る
僕の栄光は過去なのか未来なのか、光り輝くというのなら
空を見なけりゃ見つからない
音が鈍っていく、色々な色が柔らかなパステルからどぎつい原色に戻る。
見知った人達も黒く透明になって行った。
人は消えてしまう。
楽しかった色も楽しかった音も探し求めていた光も
全て黒く澱んでいく。
黒の中にあるさらに明るい黒と闇としか言いようのない黒
音もなく黒しかない
往生際が良いとドアノブでも吊れる
なるほど、今なら吊れる気がする。
電気などとうにつかない、暗くジメジメした部屋で
道具を探すには見えなかった。
仕方なしにカーテンを開ける
光
探していた
光
全てを悟り全てを救うことを確信した。
残り少ない風呂の湯を飲みかけのペットボトル空にして中に注ぐ。
全てを悟った神の造りたもうた神の水が誕生した。
光を見た瞬間から全てが生まれた。
神の水を寂しく困っている高齢者に譲る。
有り余る資金で神の水を買う高齢者
神である生活はそれなりに充実していた。
3度目の出所
泣いて喜ぶあの高齢者は死んでしまったらしい。
全て神のせいだ、神である私が神の水を授けなかったから・・・。
10数名の神の使徒からのおしみない拍手
規模は小さくなったがまだ神を続けりる!!
黒く大きな車から
赤い帽子に赤い服、白いズボンに赤い靴の心は少年のままの青年が出てきた。
世界が変わる銀色の光を振りかざす
青い空には甲高い金属音
そういや、自分で抜くのって良くなかったんだっけ。
熱いような温かさと震えるように冷たい気持ちに
今の俺が天麩羅ならアイス天ぷらだな
思ったより声にならなかった。
神の使徒達が青ざめながら何かを叫んでいる
慌てるな、すぐに神である私がお前たちを救ってやるから
天を掴もうとするこの手はなぜ赤いのだろう?
全てが暗転し病室で目が覚める
どうやら往生際が悪かったらしく
吊ったものの死にきれなかったらしい
隣の部屋の住人が異変を感じて通報したおかげで一命は取り留めたそうな
なんだよお前ら、金の無心に嫌気がさして顔も見たくないとか言ったじゃないか。
心配してくれるなんて。馬鹿だなぁお前ら。
その中に混じって棒立ちの心は少年のままの青年がいた
な、なんでこいつ
次はちゃんと殺してくれよな。




