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婚約解消

「ルティーナ様、王宮で大きな動きがありました。ご内密にお話したいのですが…」


ルティーナが朝食を終えた席を離れた後、ローザがルティーナに耳打ちをしてきた。

ルティーナは使用人を下がらせた。


「何かしら、大変な事って」


「急に決まった事らしいのですが、アッシュレ殿下の婚約者が差し替えられると本日中に公になる事です。お相手はリチャード伯爵家のがご令嬢、何でもご令嬢に魔力が目覚めたらしいです」


流石にルティーナは驚いた。


「婚約者の差替絵とは、そんなに簡単に決まったの?あのロレーヌ侯爵が黙って娘の婚約者の座を引き渡したと言う事」


「内密の話なのですがどうやらロレーヌ侯爵と王族の間で取引があったようで、侯爵は次期、宰相、アルテシア様の妹リリアン様の縁談に有力な子息を約束されたようでする」


「ロレーヌ侯爵一族らしいわ。関係ない話とはいえ気分が悪いわ。でも、アッシュレお兄様がそんなに簡単にアルテシア手放すかしら……」


「リチャード伯爵令嬢に心変わりしたのでは?」


ルティーナはローザの考えには納得出来なかった。アッシュレのあのアルテシアに向ける眼差しはルティーナは始めてみる。外面がいいアッシュレがあんなに露骨に顔に出す事は今まで見た事がない。


「もしかしたら……ふふ、そういう事ね。アッシュレお兄様らしいわ。相変わらず気分が悪いやり方だわ」


ローザが、不思議そうにみる。ルティーナは自分の考えをまとめるついでにローザに説明した。


「リチャード伯爵はこの国の一番の金貸成金よ。元々の豊富な資金を地位の低い身分の貴族には高利回りに資金を貸して高い身分や国に低利回りに資金を貸してのし上がった方よね」


「そうです。身分の低い貴族は借りられる所は限られてますからね。リチャード伯爵は、高い身分の貴族からは恩を売り、権力も備わったので今では、国王陛下も遠慮してますから」


「リチャード伯爵の令嬢が魔力を持った事で婚約を断れなくなった。でも、アッシュレお兄様はアルテシア令嬢を諦められない。ローザ、何故、妹のリリアン令嬢に子息の縁談なのかしら?本来、アルテシア令嬢に代わりの縁談がいくのでは?アルテシア令嬢の婚約解消の代償は大きいわ」


「確かに…まさか!」


ローザはルティーナが考えている事が分かったらしく。


「まさか、ロレーヌ侯爵はアルテシア様を見捨てられるつもりなのですか?」


「そうね。自ら修道院に入るか、社交界に出る事が出来ないので嫁ぎ先は中々来ないでしょうね。あるいは……アッシュレお兄様に縁談も潰されるか…正妃に世継ぎが出来れば、早々に側室でも妾でも迎える事が出来るわ」


「では、アルテシア様はいずれは…。なんとも嘆かわしい」


「本当に気分の悪い話だわ。このままアッシュレお兄様の思い通りになるのもしゃくね。ローザ、アルテシア令嬢の性格上、恐らく自ら修道院を選ばれると思うわ。修道院と言えばあなた方の専門よね」


ルティーナは楽しそうにローザを見る。ローザは恨めしそうにルティーナを見る。


「ルティーナ様、私にアルテシア令嬢の保護をアストラ教皇にお願いしろと……」


「流石、察しがいいわ。ローザ、貴方が優秀な侍女で良かったわ」


「しかし、ルティーナ様、アルテシア様を保護されてどうするおつもりですか?」


ルティーナは悪戯の満遍な笑みで言う。


「そうね……クラウドお兄様とお見合いでもして頂こうかしら?アッシュレお兄様のこの上、悔しがる顔が見れそうだわ」


「ルティーナ様……」


ローザの呆れた顔で言う。


「冗談よ。アルテシア様はアルターナの国の実権を握るには必要な気がするのよね。直感的に…」


「アルテシア様の保護の件は、こちらで何とか致しましょう」


ルティーナを始め誰もこの後、二転三転と起こる出来事までは予想出来なかった。



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