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悲報

ウルリッヒの訪問から幾日も過ぎた。ルティーナとラーダス国の縁談は順調に進んでいるとローザが嘆いていた。

やはり、ローザはウルリッヒの元にルティーナを嫁がせたくない様だ。

ラーダス国は戦争を起こしては大きくなった国なので国の内政は追いつかない状態だった。王太子として王族勢力を強くしたいウルリッヒも早く後ろ盾なるアルターナの国の後ろ盾は欲しかった。

アルターナの国王のウルリッヒの足元を見て領土の拡大と関税の緩和など無理難題を突きつけている。

それも、2、3ヵ月もあればラーダス国が折れ要求を呑むだろとローザ言ってきた。

そしてアッシュレもバガラル国へ発った。


しかしアッシュレがバガラル国へ発つのを待っていたようにバガラル国からルティーナの求婚の手紙が国王の元に届いた。

国王はバガラル国王の手紙を読み一言呟いた。


「やられたな…」


手紙を執務机の上に放り投げて椅子にもたれ掛けた。

宰相もこれには驚いた。


「バガラル国王はあの年で、ここまでの策士とは…」


と、国王は独り言の様に言う。


「しかしながらサーネル国とバガラル国、いつの間に同盟を結んだのでしょう?しかも王太子殿下はバガラル国へ滞在と言う事は人質同然ではありませんか。ルティーナ王女殿下を今、バガラル国の婚約者すればラーダス国も黙っていません」


「分かっておる。ルティーナはバガラル国にやらねばならない。ラーダス国は話がここまで進んで白紙に戻すと言えば黙っておるまい」


「戦争は避けられませんね」


「いや、まだ打つ手はあるラーダス国とバガラル国で戦って貰えばいいじゃないか。我が国アルターナはどちらか優勢になった方に加担すれば良い。ラーダス国にはバガラル国にルティーナを脅されて嫁がせねばならなくなったと言っておけば、あのプライドの高い王子は勝手に動くであろう?」


「た、確かにそうですがそれでは狂言が過ぎるのでは?」


「知った事か、バガラル国だろうとラーダス国であろうと勝った方にルティーナやればいい。嫁ぐのはルティーナだ後は奴らの好きにさせればいい。ルティーナにもし何かあってもその時は何かしら要求出来る材料になる。何かあった方がこっちには好都合かもしれないな」


そう言い残すと国王は執務室から出て行った。




ルティーナがバガラル国の縁談の事を聞かされたのはその数日後であった。ローザは少し浮かれていたが、ルティーナは浮かない顔していた。


「ねぇローザ、何故、今になってバガラル国王が求婚してきたのかしら?」


「それは…」


「アッシュレお兄様がバガラル国へいる時に…形式上ではまるで人質よね。返事に期限があるのならアルターナは断る事が出来ないわ。もし期限があるのならアッシュレお兄様がいる間でしょうね。そこまでバガラル国は強行に出る必要があったのかしら?」


ルティーナはバガラル国とサーネル国の同盟を結ぶ事でサーネル国がラーダス国の敵国となるのではと思っていた。何故なら王太子妃が牢獄に入れられているからである。今度は罪人から人質に変わってしまう。人質であれば処刑になる事はないと思うが戦争は免れないのでは?


「それはそうですが…ルティーナ様はバガラルに嫁ぐ事はお嫌ですか?」


「そんな安易な事ではないと思うの。バガラル国の求婚は断れないわ。でもラーダス国は黙っていない。アルターナ国がバガラル国に寝返った事を知ったら…」


「しかし、我が国とバガラル国とではラーダス国如きに負けるとは思えないのですが…」


ルティーナは不適にフッフフと笑う。


「ローザ、あの我が国、国王が簡単にラーダス国に手助けすると思う?下手をすればバガラル国とラーダス国の共倒れするのを待つか終わった頃に生き残った国を攻めるつもりかもしれないわね」


「そんなまさか!?」


「どちらにしても、戦争は免れないかもしれないわ。ダニエル国王陛下もそのつもりで求婚して来たのでしょう?でもこれでラーダスの王太子妃は暫くは無事だわ。人質としてだけど…」


コンコン


ローザは国王から使者が訪れたとルティーナに知らせるとルティーナは入室の許可をする。


「恐れながら国王陛下よりルティーナ様へ伝達を承って参りました」


「何かしら?」


と、ルティーナは聞くと


「ルティーナは療養為、第二王子殿下がバガラル国へ滞在中という事はご存知でしたか?」


療養中という事になっていたなんて知らなかったがいかにも国王達が考えそうな理由だとルティーナは思った。しかし、使者の顔付きを見るといい話ではない事をルティーナは悟った。


「お気を確かに聞いて下さい。滞在されていた第二王子殿下が死去されたとの事です」


ルティーナはそのまま意識を失った。



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