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君は水の中で溶けて

「解除を試みます」


メイルが扉の傍に行き、適当にコンソールを操作する。


「誰だ!」


警備の魔族が叫び、警報を操作しようとして、


ガッ


メイルが無造作に投げたモリに、頭を貫かれ、沈黙。


「解除しました」


ガガガ・・・


扉が開いていく。


「馬鹿な?!」


叫ぶ、警備員や研究者。

中には、見るからに怪しい赤いボタンがついた箱を操作する者も。


「研究所の自爆ボタンですね」


月花が冷静に言う。


「大丈夫なのか?」


自爆する様子は無いが・・・


「システムに侵入して、照明のオンオフに繋げておきました。電気を点けたり消したりして遊んでる悪戯っ子になるだけです」


メイルが興味無さそうに言う。


とりあえず、進むか。


--


「これは、クリスタル?」


4属性程では無いが、かなりの力を持っているようだ。


「地上にあった物を運び込み、解析していたようです」


月花が肯定する。


「あの魔物・・・極めて強い力を感じるでござる・・・」


培養液の中で培養される魔物・・・極めて危険な力を感じる。

俺やカゲでは勝てないだろう。


「まだ未熟ですが、成長すれば強そうですね。クリスタルの力を流用して作った魔物・・・それが目的というよりは、作れそうだから作っている、という感じでしょうが」


月花が言う。


「名付けるなら、晶魔獣、と言った所だにゃ」


バスレトが言う。


「似たような形で培養されている個体が、別の都市にもいるが・・・この都市のこやつが一番進んでおるの」


フェリオが言う。

カゲがさっきから超メモしてる。


「とりあえず、殺しておいてくれ」


俺の言葉に従い、メイルが機械を操作。

晶魔獣が溶けていき、骨になった。


「自壊プログラムを実行しました。バグっていたので、少し直しましたが」


メイルが淡々と言う。

メイル、出来る娘。


「貴様等!何をしている!」


魔族の女性。

多分、姫将軍というやつだろう。

美人だが。


「貴様等、動くな」


言い放ち詠唱を始め━━


静止する。


カゲが刃を突き付けたのだ。


「怪しい者ではない。騒ぐな」


カゲが低い声で言う。


「ぬ・・・ぬぬ・・・」


「研究成果を見物した後、無力化、データを破壊したら大人しく撤収する。協力するが良い」


トライプニルが告げる。

多分、無理な要求だと思う。


「何だと?!」


魔族が叫ぶ。

そりゃそうだ。

まあ、


「あんた。俺達は冗談を言ってる訳では無い。協力しなければ殺す。それで好き勝手に見て回るだけだ」


協力したら逃さないといけないのだろうか。


「・・・分かった。抵抗しない。ついて来い・・・」


魔族は力無く、そう言った。


--


「残念だったな!此処が貴様等の墓場だ!」


魔族が叫び、開きつつある檻を指す。

まあ、降伏したフリをして、戦力のある場所に誘導、襲わせる。

定石では有るが。


ゴウッ


フェリオの放った蒼い光が、壁を撃ち抜く。

魔獣が外に向かってぞろぞろ出て行く。

制御出来ない魔物なら、逃してやればいい。


「なっ?!」


「此処が魔獣研究所か。魔導研究所にいたヤツの方が数段やばいな」


「・・・当然だ。ミカエルは我らが最高傑作・・・」


「戦力は今ので全部か?」


「そうだ!」


月花がすっとよって来て、


「ご主人様、囲まれています。恐らく、施設ごと破壊するつもりかと」


バスレトが魔族を見て、


「見えるかにゃ?外の奴等は、キミごとこの施設を破壊するつもりにゃ。キミは裏切られたのにゃ・・・ご主人様に仕えるなら、特別に見逃してあげてもいいにゃ・・・?」


「外の兵に指示を出したのは私だ?!」


無理だよ。

どう見ても敵対しているじゃん。

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