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結末

「ま、待つにゃっ。にゃあは、結構役に立つにゃ」


「・・・神猫の能力は嘘なんだろ?」


加速に心惹かれてしまった自分が憎い。


「・・・潜入とか、得意にゃ。色んな情報を得てくるにゃ」


「システムまわりなら月花が、ゲーム内やリアルの情報ならカゲが情報を集めてくれるからな」


「ええっと・・・ほら、女の子の攻略情報とか・・・何処に行けば会えるとか、必須イベントとか、選択肢のアドバイスとか・・・」


「いらねえよ?!」


本当に駄猫だなっ。


「気になるあの娘の下着とか盗んでくるにゃ?!なんなら、お風呂とか撮影してくるにゃ!」


「駄目だろ!」


誰得。


「・・・料理とか、するにゃ!」


「間に合ってます。料理は月花の担当だな」


月花が胸を張る。


「お・・・背中とか流すにゃ」


「間に合ってます。背中はカゲが流しているな」


こくり、カゲが頷く。


「待つにゃっ。それはおかしいにゃっ」


え?


きょとん、としてカゲを見るが、カゲもきょとん、としてこちらを見る。


まあ、契約解除のやり方も分からないし、諦めよう。


--


「シーザーなら死んだわよ?」


フェルがあっさり、拍子抜けな事を言う。


「・・・死んだ?」


「うん。懲りずにダンジョン探索して、魔物にボコられて、ね。お付きの護衛もろとも」


シーザー━━スレイが死ぬ事になった原因のお偉いさんだ。

せめて脅かす等のいたずらしてやろうとしたのだが・・・既に死んでいたらしい。

スレイの時と違い、心はざわつかない。


「そっかあ、アイツ死んだのかにゃあ」


バスレトがしみじみと言う。


「知り合いか?」


「いや、言ってみただけにゃ。にゃあは、可愛い女の子限定でしか記憶に留めないにゃ」


色ボケ駄猫。


「わっ、可愛い!新しい従魔??抱きたい!」


フェルが手を伸ばす。


すっと液体の様にフェルの手を躱すと、


「抱くのは、お手製のシルビア人形で我慢しておけなのにゃ。キスとかしてるので、もっとこまめに洗濯した方が良いにゃ」


「何で知ってるの?!」


バスレトが適当に言った事に、フェルが強い反応を示す。

本当なのか?


と言うか、女の子好きじゃなかったのか?

フェル、結構美人だと思うぞ。


「みゃあは、ご主人様専属の攻略アドバイザーにゃ。女の子の秘密を探るのはお手のものにゃ」


「・・・もう、他には無いもん」


「魔法のステッキの柄の部分に巻いてある布を取ると、想い人の名前が出てくるにゃあ」


「きゃああああ?!」


想い人がいるのかあ。

そして、何故知ってる。


「・・・まあ、良かったわ。シルビアが落ち込んでるって聞いて、心配だったのよ」


フェルが、こほん、と咳払いをしてから、言う。


「・・・流石にショックはあったが、煩いコイツがいるせいで、気が紛れたのは確かだな」


俺が、バスレトの頭を撫でながら言う。

だからこそ、月花達はバスレトを仲間にする様に仕向けたのだろうか。


「まあ、シルビアを元気づけてくれたのは感謝するわ。私も忙しい身だから、なかなか来れないのよ」


フェルが、バスレトに微笑みかけると、


解子(ときこ)ちゃんとリリックの橋渡ししかしてないのに、忙しいとは如何にゃる事にゃ?」


バスレトが小首を傾げて言う。


「何で知ってるの?!じゃなくて、橋渡し以外にも仕事してるから!!」


解子って誰だよ。


フェルがバスレトをぐらぐら揺らす。

こら、俺の従魔を揺らす・・・まあ良いか。


フェルが去っていく。


そっか、スレイが死ぬ原因になった奴、死んだのか。


ちょっとだけ、すっきりした自分がいた。

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