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神をも恐れぬ行為

・・・


「え?」


スレイ?


「ん。シルビアって、碧山の盾のギルドマスターがスレイだって知らなかったのかい?」


アイリスが小首を傾げて尋ねる。


・・・


あいつかよ。


・・・確かに、ギルド辞めろと焚きつけたな。

じゃあ、その前に会った、碧山の盾のギルドマスターっぽい奴、誰だよ。

すっかり安心してたじゃねえか。


「にゃにゃ、碧山の盾を壊滅に追い込んだ、シルビアにゃ、おひさー!」


ちょうどスレイがやって来る。


「壊滅に追い込んだのはお前だ?!」


スレイの頬をぐいーと伸ばす。


「にゃあ・・・ギルド解散した人に言われたくないにゃあ・・・」


ぐさ。


「・・・そ、そうだな。まあ、何をしようとみんなの自由だよな」


「私はまだ納得いってないけどね」


ぽつり、とフェルが言う。

ぐふ。


何にせよ・・・


六王のギルドが計画的に育成を行い、プレイヤー達の平均レベルはうなぎ登りだ。

どんどん効率の良い育成方法・・・そして修行が開発されている。

防衛戦も、勝つ事が増えてきた。

近々、奪還戦も計画されているらしい。


不思議な縁だ。


偶然集いし、至高の六王(ヘキサグラム)

そこから巣立った六王が、それぞれ中心となり、人類全てを導く・・・


そう。


反撃の狼煙は・・・確実に上がっていた。


--


「伸び悩み?」


俺は、カゲに聞き返した。


「はい。六王、みんな感じているようでござる」


育成は順調・・・どんどん整備され、レベル上げは加速しているらしいけど。

最近はログイン初日に3桁まで促成栽培するとか聞く。

職業案内も充実しているらしい。

戦闘職以外なれないけど。


伸び悩む要素は無さそうだ。


おっと。


ひゅっ


安物ダガーを投げ、トラップを動作させる。

ギロチンが前方の空間を薙ぐ。


ダンジョン攻略をしつつ、カゲと世間話をしている。


「レベル上げは順調なんだろ?」


「はい・・・ですが、プレイヤー数の減少が顕著で」


減少しているのか?


「新規加入者がいない?」


「いえ・・・新規加入者はどんどん追加、睡眠時自動ログイン等の参加強制もなされているのでござるが・・・ログイン回避の機構が開発され、出回っているのでござる」


まさに神をも恐れぬ行為。


「この世界での人間領の減少と、現実での天変地異も、因果関係が否定された、とか偉い学者が発表したでござる」


「で、既存プレイヤーの引退と、新規プレイヤーの流入が止まったのか」


だが・・・


「ようやく状況が好転しかけたのに・・・また崩れるな」


「強制ログイン・・・身体から霊魂を抽出、身体の実態を化身化し、魂だけ転移・・・その最初のプロセス、霊魂の抽出を阻害する機構ですね」


月花が解説。


なるほど。


「とにかく、今残っているプレイヤーだけでも、続けて貰わないと厳しいでござるな」


ひゅっ


駆け抜けざま、ガーゴイルを両断した。


ぷしゃあ


ドロップが吹き上がる。


--


「LJO病群完治計画?!病、って何だよ?!」


「シ・・・シルビア殿、落ち着いて。か、顔が近いでござる」


カゲから聞いた話に、思わず声が大きくなる。

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