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作戦通り

ガサ・・・


山道。

日本で良く見慣れた木々。

出てくる魔物は、鹿、猪、熊・・・


リアルで山登りした経験は無いが、テレビで見たのはこんな風景だったと思う。


で。


「此処は何処だ?」


俺、コキュートス行くって言ったよな?


「ご主人よ、新たな従魔を迎えに行くのに、その仏頂面はどうかと思うのじゃが」


フェリオが咎める様に言う。

初耳だよ。


俺は足を止めると、


「行かないぞ?ようやく連携もできてきたし、魔石の消費も早いし、従魔を増やすつもりは無い」


「そうは言うがな、ご主人よ。従魔を増やすのはそなたが明言した事。違えるのは従魔の教育上よろしくないかと」


トライプニルが言う。


「考えても良さそうだと言っただけだし、そもそもお前達手を抜いて騙してたし、教育上とか、お前達明らかに個が確立してるよな」


月花は溜息をつくと、


「ご主人様、あまり駄々をこねられますと、プレイヤーのログアウト条件のレベルを1万まで上げちゃいますよ」


「やれば良いだろ?!」


多分、月花が決めてる訳ではないので、出来ないと思うけど。


「シルビア殿、止めて下さい?!」


カゲが涙目で、頭を振りながらしがみついてきた。

月花の冗談だって。


「・・・で、その従魔っていうのは何処にいるんだ?」


「うむ。頂上にある大穴より洞窟に入り、2日程進んだ先じゃな」


フェリオが言う。


「・・・やっぱり帰る・・・」


遠いよ。

せめてマップ入口で待機しておけよ。


「シルビア殿」


カゲが困った様に言う。


「ん、どうした、カゲ」


「その・・・出口が消えているし、ログアウト出来ないでござる」


・・・


「お前等・・・」


問答無用で封印エリアに誘導するなよ。


「で、このエリアの解放条件は?」


「エリアボスの撃破、だ」


トライプニル。


「それ以外には?」


「此処は小規模マップなので、エリアボスの討伐以外には解放条件が有りません」


月花が告げる。


・・・


「月花、今日も可愛いな。何時も頼りにしてるよ。ところで、このマップの簡単な解放条件教えてくれるか?」


「はい、ご主人様。この鍵をお使い下さい」


「月花?!」

「おい?!」

「うさあ?!」


3者、月花に駆け寄り、鍵を取り上げる。

おい、月花が痛そうじゃないか。


「お前等、動くな!」


トライプニル、フェリオに命じ、動きを止める。


「うさっ、うさっ」


・・・


「おい、このうさぎ、何だ?!」


「うさあ?!」


これってまさか・・・


「カゲがうさぎに・・・?!」


「いえ・・・恐らく、影でこっそり見ていたエリアボスのうさぎが、慌てて出てきたと思われますでござる」


カゲが申し訳なさそうに言う。


・・・


き、気づいてたさ?


「作戦通り、おびき寄せられたようだな、エリアボスのうさぎよ」


「うさあ・・・」


弱そう。


もふ。


もふもふ・・・


「うさっ?!うさ・・・うさあ・・・」


モフると、目を細めて伸びる。

すげー伸びるな。


「で、これを倒せば良いのか?」


「倒すか、屈服させるか、ですね」


明らかに非戦闘ユニットっぽいな。

屈服させるってどうやるんだ?


ころん


お腹を見せて転がるうさぎ。

お腹を撫でてやると、ごろごろ喉を鳴らす。

これ屈服してないか?

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